自分にあった投資商品の選び方について、過去、投資商品の選び方「貯蓄型保険・株式・投資信託の特徴」投資商品の選び方「高校生までの子供がいる世帯編」を紹介してきました。今回は大学生以上の子供がいる世帯を想定し、どの投資商品にいくら投資するかという配分、つまり、投資商品のポートフォリオを紹介したいと思います。ポイントは、「老後生活を意識しはじめた投資スタイルに切り替えること」です。では、詳しく見ていきましょう。

「大きく増やす」ことよりも「減らさない」ことを意識しはじめるべき時期

子供が大学生になると、教育資金を将来のために用意しておく必要がなくなります。その他に必要だとしても、子供が結婚するときに必要な費用を補助するくらいでしょう。 もちろん、ある程度の金額は必要ですが、何千万円という金額にはならないでしょう。

それなりの収入があり、子供にかけるお金が減っていくため、生活に余裕が生まれてくる時期と言うこともできるでしょう。貯蓄や投資へ回す余力も増えますが、積極的に投資しようとするのはよくありません。 というのも、子供が大学生以上になってくると、退職を控え、老後生活のことを考えなければならないタイミングに入っているからです。

定年退職後も働き続けられる時代とはいえ、その後の給与は減り、年金も生活費のすべてをまかなえるような金額ではありません。老後は収入が大幅に減ってしまうからこそ、老後生活に向けて、「保守的な投資」を実践するようにしましょう。

投資商品は、低リスクなものを中心に選択する

保守的な投資をするために、投資の成果として「元本が確保できる可能性が高いもの」を中心に選ぶようにしましょう。具体的には、保険・国債・債券に投資する投資信託などが挙げられます。

保険は、老後資金を確保するためであれば、「個人年金保険」がよいでしょう。保険料の支払い期間が終了した後、毎月保険金が受け取れるという仕組みになっているため、公的年金だけでは不足する生活費を補うことができます。 最近では、「トンチン年金」と呼ばれる、死亡するときまで保険金の支給が続く年金保険が注目されています。保険料はそれなりに高額ですが、長生きリスクに備えるという意味では検討に値する保険です。

相続対策なども視野に終身保険に加入する手もあります。「まだ若いのに相続?」と思う50~60代の方も少なくありませんが、早すぎることはありません。 もし、死亡時に相続税が発生しそうなのであれば、死亡保険金の相続税非課税額(500万円×法定相続人の数)を利用できるに越したことはありません。しかし、高齢になってからでは、健康状態を理由に終身保険に加入できない可能性があります。加入できたとしても、健康状態を考慮しない代わりに保険料が高額に設定された不利な条件の終身保険になってしまうでしょう。

会社の確定拠出年金やiDeCo、NISA・つみたてNISAの利用も積極的に行いましょう。 ただ、リスクが少ない商品を選ぶときには、信託報酬や購入時手数料などのコストにも注意しましょう。リスクが少ない分だけリターンも少ないものですが、コストはあらかじめ決められた分だけ差し引かれてしまいます。 リスクが低くコストが高い商品を選んでしまうと、せっかくの利益が吹き飛んでしまいます。定期預金や国債の方がマシだということにならないよう注意しましょう。

月5万円投資のポートフォリオ

では、毎月5万円ずつ投資することができる場合、どのようなポートフォリオにするのがよいのでしょうか。投資に対する姿勢が保守的か積極的かで、それぞれのポートフォリオをご紹介します。

投資商品の選び方 大学生以上の子供がいる世帯編

このポートフォリオ設計における補足点は下記の通りです。

少額での積立の場合、国内株式は省きましょう。5万円までであれば購入できる銘柄はあまり多くありません。株式累積投資を使えば、毎月5万円でも多くの銘柄を購入できますが、一部の証券会社しか取り扱っておらず、手数料も高くなってしまいます。

若い頃よりも保守的な投資をするため、よりリスクが低い債券に投資する投資信託の割合を多くしておきましょう。しかし、低い運用利回りしか期待できないため、30~40%程度は株式投資信託で運用するのがよいでしょう。

一部の書籍やネットの情報では、株式投資信託も安定企業にだけ投資するものを選ぶべきとしているものもありますが、必ずしもそう考えなくても構いません。5年後・10年後に大きく成長する分野だとあなたが考えるものであれば、多少リスクが高いものでも投資を検討するべきです。ただ、失敗して損失を出すリスクがあるため、投資する割合をやや少なめにしておきましょう。

まとめ

子供が大学生以上になると、あなた自身の老後生活を見据えた投資行動を考えなければなりません。 公的年金で不足する生活費は、保有している資産を取り崩してまかなうため、「減らさない投資」も意識するようにしましょう。

しかし、資産が減らないよりは増える方がよいのは間違いありません。投資商品を選別するときは、確実性の高い保険や投資信託を選び、その一方で、一部の資金は多少のリスクを取って利益を狙いに行きましょう。 ただし、想定外の損失に備えて、「リスクを取りすぎない」ことや「株式投資信託に資金を投入しすぎない」ことだけは意識しておきましょう。


執筆者:横山研太郎

ねこのて合同会社 代表。1978年大阪生まれ。1級ファイナンシャルプランニング技能士。保険と投資をミックスした「守りと攻めを両立させる」資産形成プランを提案する。大学の非常勤講師を務めるなど、金融教育にも積極的に取り組んでいる。

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