日本は今、超低金利時代が続いており、銀行にお金を預けているだけでは、老後に安心できる生活が送れないかもしれない、という思いから、預金だけでなく、資産の一部を投資にまわすことを考えている方もいらっしゃるかと思います。 しかし、投資のことを学ぶ機会がなかった人にとっては、どうやっていいのかからわからないのではないでしょうか。そこで計4回にわたり、投資における基本的な考え方をお話しします。

投資商品にはどんなものがある?

今投資したお金が将来増える可能性がある「投資商品」には、どのようなものがあるのでしょうか。 主なものでは、貯蓄型保険・株式・投資信託などがあります。

ただ、どれを選んでもいいわけではありません。それぞれの特徴を理解した上で上手に使い分ければ、より堅実に資産を増やしていくことができるでしょう。

貯蓄型保険の特徴

「貯蓄型保険」は、いわゆる「終身保険」です。 貯蓄型保険は、契約が成立した時点で、「死亡時に一定額の保険金が支払われる」ことが約束されるため、保険会社が倒産するなどしなければ、確実にお金を受け取ることができるのが特徴です。 支払った保険料に応じて所得税の負担が軽くなったり、保険金の一部について相続税が非課税になったりするなど、税制面でのメリットもあります。

必ず保険金を受け取ることができるのがメリットですが、近年の超低金利で、貯蓄型保険の投資商品としてのメリットはほとんど失われてしまいました。 同じ保険金を受け取るために必要な保険料が高くなり、平均寿命まで生きた場合の利回りは1%を下回るものがほとんどです(2018年3月現在)。

より高い利回りで有利な保険料となっている「外貨建」の終身保険もあります。 日本よりも金利が高い国の通貨で運用するため、その分だけ保険料が安くなっています。しかし、保険金を受け取るときの為替レート次第で、受け取る保険金額が上下するため、損をしてしまう可能性(為替リスク)もあるので注意しましょう。

また、貯蓄型保険は解約時に解約返戻金を受け取ることができます。 昔の高金利時代は、加入後数年で解約したとしても、支払った保険料以上の解約返戻金を受け取ることができました。しかし、今では、かなり高齢(70~80歳程度)になってからの解約でなければ、解約返戻金は支払った保険料よりも少なくなり、投資としては損失が発生してしまいます。

以上のことから、貯蓄型保険は、投資商品としての魅力はほとんど失われてしまっています。とはいえ、死亡時に備えて、ある程度の保険金が受け取れる貯蓄型保険に加入しておくことには大きな意義があります。

株式の特徴

投資商品として最もよく知られているのが「株式」です。 証券取引所に上場している企業の株式を購入し、企業が成長するなどの理由で株価が上昇すれば利益を得ることができます。しかし一方で、業績不振などの理由で資金を失ってしまう可能性もあります。 その結果については、利益を得られても損失が発生しても、完全に自己責任です。

株式の魅力は、なんといっても、大きな利益をあげられる可能性があることです。 株価は日々上下しますが、長期的に見れば、株価が何倍にもなる企業もあり、銀行預金や保険よりもはるかに大きなリターンが得られることもあります。 また、配当金や株主優待を受け取ることができる銘柄もあり、株価変動以外での利益が発生することもあるでしょう。

しかし、どの企業に投資するかは、すべて自分で判断しなければなりません。 投資を検討している企業が公表している情報やニュースを集め、日本や世界経済の先行きも考えながら、投資判断をします。 インターネットの普及で、個人投資家でも多くの情報が入手できるようになり、株式投資の環境がよくなったと言われています。ただ、現在では、情報が多くなりすぎて、取捨選択が大変だとも言うことができます。 企業の業績を判断するためには財務諸表を読み込む必要もありますが、慣れていない人にとっては、かなり手間がかかる作業です。

こういった特徴を持つ株式投資ですが、それ以外に副産物として得られるメリットがあります。それは、「経済に関する知識が増える」ことです。 損をしようとして投資をする人はいません。利益をあげたいと考えるからこそ、いろいろな情報を調べたり、知識を得ようと勉強したりします。 そうすることで、日々の経済ニュースにも敏感になっていきます。その知識は、普段の仕事をする上でも役に立ってくることでしょう。

投資信託の特徴

投資信託は、「プロに投資を任せる」投資商品です。 それぞれの投資信託が「こういった方針で投資します」と運用方針を示しており、投資家は、その方針で利益が出そうだと考えられるものに投資をするという仕組みです。投資するものは株式だけでなく、債券や不動産が含まれるものもあります。

投資信託のメリットは、多くの人の資金をまとめて運用するため、多数の銘柄に資金を分散させて、倒産リスクをとても小さくすることができることです。また、何に投資をするかを自分で考えなくてよいため、投資について考える手間が軽くなります。

一方のデメリットは、株式投資よりもコストが高くなってしまい、利益も小さくなってしまうことです。 投資信託には、購入時の手数料以外にも、運用をしてもらっている間にかかる信託報酬などのコストも支払わなければならないためです。 とはいえ、そのコストを支払っても、安全に利益を出せそうな投資信託を見つけることができれば、堅実に資産形成していくことができるのではないでしょうか。

近年、購入する投資信託を、相場状況に合わせて自動的に調整してくれる「ロボアドバイザー」も注目を集めています。 ただ「ロボットが投資するから儲かりやすい」と一概に言えないため、「投資信託の選定を楽にする」ツールであることを念頭におきましょう。

「投資信託には興味がない。自分で株式投資がしたい」という人も少なくありませんが、これからの時代は、投資信託について理解しておくことをおすすめします。 「確定拠出年金」、「iDeCo」や「つみたてNISA」で運用するときには、投資信託での運用が前提です。そのため、税金などが優遇される制度を利用して投資をしようとすると、私たちと投資信託は切っても切れない関係になっているためです。

まとめ

主な投資商品である、貯蓄型保険・株式・投資信託について、簡単に解説しました。 それぞれの特徴を簡単な表にまとめると、次のようになります。 スクリーンショット 2018-03-27 9.19.32

※リターンが大きいということは、その分だけ損失を出すリスクも高いということに注意してください。

投資で利益を出すには、それなりの手間や知識が必要なことがわかると思います。資産を増やすのはとても難しいことだと感じるかもしれませんが、ある程度のセオリーを理解しておけば、リスクを控えることができます。 そこで、次回以降は、世代や家族構成などに応じた、ポートフォリオ(投資商品の組み合わせ)の作り方についてお話していきたいと思います。


執筆者:横山研太郎

ねこのてFP事務所 代表。1978年大阪生まれ。1級ファイナンシャルプランニング技能士。保険と投資をミックスした「守りと攻めを両立させる」資産形成プランを提案する。大学での金融教育にも取り組んでいる。