前回、自分にあった投資商品の選び方として、貯蓄型保険・株式・投資信託の特徴をご紹介しましたが、今回は、家族構成別にどのような投資商品を選ぶのがいいか、その基本となる考え方を紹介していきます。高校生までの子供がいる世帯を想定し、どの投資商品にいくら投資するかという配分、つまりは投資商品のポートフォリオ紹介します。なお、「いずれ子どもは欲しい」と思っている方にも使える考え方です。

資産運用の目的は「増やすこと」より「使えること」

どのような投資商品を選ぶべきかを考えるとき、多くの人が陥ってしまう失敗があります。それは、「いかに効率よく資産を増やすことができるかに捉われて、お金を使うシーンを見過ごしてしまう」というものです。

なんのために投資するのかというと、その理由は「お金を増やすこと」です。そして、どうしてお金を増やしたいかという理由は、「必要なものを必要な時に購入するのに、使えるお金を確保する」ためです。 つまり、お金を増やすことは手段に過ぎず「必要なものを手に入れること」が目標です。

子供がいる世帯は、日々の生活費以外に教育資金が必要になります。この他に、今後、マイホームを購入したいと考えている人であれば、頭金を準備することも考えておくべきです。

投資商品や投資金額の設定は、今後必要となるキャッシュを念頭に

長期的な視点で投資ができるというメリットはあるものの、住宅資金や教育資金のことを考えて、投資額を設定して欲しいのは、「終身保険」と「確定拠出年金(iDeCoを含む)」です。

それぞれの特徴として、終身保険は、何歳で死亡しても保険金が受け取れる、貯蓄性が高い保険であること。そして、確定拠出年金は、掛金の全額が所得控除の対象となり、売買益が出ても年金を受け取るときまで課税はされないという税制の大きな優遇策が受けられる投資であることがあげられます。このようにメリットもありますが、投資側としてはデメリットも気になりますよね。

まず、終身保険ですが、近年の超低金利の影響により、近年の商品は保険料が高く、途中で解約した場合には、支払った保険料総額よりも解約返戻金がかなり少なくなってしまうものがほとんどです。 そして、確定拠出年金は、そもそも「老後の資産形成をサポートするためのもの」であるため、一度支払った掛金は、原則として年金受取時まで引き出すことができません。

ですので、終身保険の保険料と確定拠出年金の掛金は、必要となる時期にもよりますが、支払った全額はマイホームの購入資金や教育資金にあてることができないと考えられます。 これからマイホームや大学の費用などを考えなければならないのに、老後資金のための投資商品ばかりを選んでいては本末転倒です。

すぐに使えるお金を手元に残したい場合は、保険に加入するとしても、終身保険を少なめにして定期保険を多くする。株や投資信託については、確定拠出年金の掛け金は最低限に抑え、NISA制度を活用して非課税メリットを受ける。などの手段を念頭におくことをお勧めします。

月5万円投資のポートフォリオ

では、毎月5万円ずつ投資することができる場合、どのようなポートフォリオにするのがよいのでしょうか。 投資に対する姿勢が保守的(または初心者)か積極的か、子供が大学に進学するか否か、また進学までの期間がどれくらいかといった要素で、多少戦略を変えることもできますが、「基本パターン」と「投資に対して積極的で、子供が小学生くらいまでの世帯」に対するポートフォリオがこちらです。 投資商品の選び方「高校生までの子供がいる世帯編」ポートフォリオ

また、このポートフォリオ設計における補足点は下記の通りです。
・少額での積立の場合、国内株式は省きましょう
5万円までであれば購入できる銘柄はあまり多くありません。株式累積投資を使えば、毎月5万円でも多くの銘柄を購入できますが、一部の証券会社しか取り扱っておらず、手数料も高くなってしまいます。

・手堅い利益は債券投資から
投資信託を選ぶ際は、できるだけ堅実に利益が得られるようにするため、ある程度の金額を債券への投資に振り向けるのがいいでしょう。 債券は、国や会社に「お金を貸す」タイプの投資です。そのため、利回りは低くなりますが、損失を出す可能性も低くなります。 ただ、日本国内の債券は非常に低金利であるため、投資対象としての魅力は低めです。利益を求める積極的な投資思考が高い場合は、日本国内のものではなくし、海外の債券への投資もしましょう。

・投資初心者はインデックス型に
株式に投資する投資信託には、日経平均株価などの指数に投資するインデックス型と、特定のジャンルなどに投資するなどして大きな利益を目指すアクティブ型があります。初心者にはインデックス型の方がわかりやすいでしょう。

まとめ

子供が高校生以下の世帯では、長期的な視点で、やや積極的な運用をすることができます。しかし、税制優遇などに引きずられて、住宅資金・教育資金のことを忘れないようにしましょう。

まだ若く、老後生活まで数十年(人によっては40年)以上もある場合は、投資をする時間は多く残されています。 そのため、まずは「投資とはどういったものかを学ぶ期間」ととらえ、どうすれば堅実に利益を出すことができるのかを考えるようにしましょう。

投資に絶対はありませんから、失敗することもあるかもしれません。しかし、失敗しても、まだまだ失った資金を取り返すことができるだけの時間がある年齢の世帯が大半です。失敗した経験を通して、より堅実な投資ができるように学び続けましょう。


執筆者:横山研太郎

ねこのてFP事務所 代表。1978年大阪生まれ。1級ファイナンシャルプランニング技能士。保険と投資をミックスした「守りと攻めを両立させる」資産形成プランを提案する。大学での金融教育にも取り組んでいる。

証券口座も一括管理
Moneytreeで資産管理を始めよう

  • Download on the App store
  • Androidアプリ Google Play