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早めに返さない方がいいの?住宅ローンの賢い払い方
将来に備える

早めに返さない方がいいの?住宅ローンの賢い払い方

取材の学校 ライター 堀江賢一
2017
11
01

人生において大きくかかってくる費用といえば、保険、教育、そして住宅です。借家に住み続けるか、それとも一念発起して家を購入するかも迷いどころですが、いざ買うと決めたら、今度はどの金融機関のローンを組むか、金利を固定にするか変動にするかなど、多くの選択肢と向き合い意思決定をしなければなりません。今回は住宅ローンの選び方と賢い払い方についてお話します。

ご自身の資金状況にあった金利タイプを選びましょう

マイナス金利という言葉をニュースで聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。バブル時代と違って今は超低金利時代です。10年物の国債利回りの10年推移を見ても、ずっと下降を続けており、現在は0.06%から0.1%を行き来しているような状況です。預金をしても増えませんが、言い換えればお金を借りてもあまり利子を取られないともいえます。金利が低下を続ける経済状況にあると、人々は「もっと下がるはず」と考えます。そのため、将来的に金利が下がるはずと予想をして変動金利を選ぶ方が多いようです。しかし、そのような決め方をしてしまってよいのでしょうか?現在は低下局面ですが、すでに底値であった場合に金利が上がらない保証はないわけです。そのような点を考慮して、固定金利を選ぶ人もいます(固定金利の方が一般的に変動金利より高い)。

では、どのような視点に立って選択をすればよいのでしょうか?一つ言える視点は、

『お金の変動リスクはなるべく小さく抑えるようにすること』

です。不慮の事故などを除いて、将来必要になるお金はある程度予想できます。

たとえば、結婚資金や子どもの養育費、医療費などですね。そして収入面でも会社勤めの方は大体何歳でどのくらいの職位について年収がどのくらいになるかは想像がつくかと思います。このようにご自身の将来の資金繰りがある程度予想しやすければ、お金の変動リスクは小さいといえます。一方で、ご自身で事業を営んでいる方などは収入の変動幅という観点で見ると変動リスクは会社勤めの方よりも高くなります(もちろん、その分大きなリターンを得られる可能性も高いわけですが)。このようにまずはご自身の将来の資金繰りを調べてみてある程度見通しがたちそうなのかそうでないのかの当たりをつけましょう。そして、変動リスクが低ければ変動金利を選んで低金利の利益を享受します。反対に変動リスクが高ければ、現在よりもリスクを抑えるために固定金利を選択します。もちろん人それぞれ考え方が違いますのでそこはみなさまのお考えにおまかせしますが、リスクをなるべく低く抑えたほうが、精神衛生上も安心できますよね。

住宅ローン減税を最大限活用しましょう

金利のタイプが決まったら今度は返済計画ですね。住宅ローンは平たく言うと借金ですので、できるだけ早く返したいと思うのが普通です。しかし、住宅ローンの毎月返済額を高くしすぎたために、毎月の生活が厳しくなってしまっている人がいることも事実です。夢であるマイホームをせっかく買ったのに、本末転倒です。毎月一定額を返しながらも生活の水準は自分の思い通りにしたいものです。

そこでポイントになってくるのが住宅ローン減税です。住宅ローン減税は、簡単に言うと

『借り入れした住宅ローンの年末時点の残高の1%分が返ってくるもの』

です。実際は返ってくるというより、住民税などが控除されて安くなるのですが、返ってくると表現したほうがわかりやすいのでこのように表現しました。この効力は住宅を購入してから10年続きます。たとえば、住宅ローンとして3,000万円借り入れた場合、毎月の返済額を75,000円とすると、年間の総返済額が90万円ですから年末のローン残高は2,910万です。この1%ですから、29.1万円が戻ってくるのです。

ここでちょっと考えてみましょう。戻ってくるお金をどんどん返済に回したほうが良いのでしょうか?返済に回したほうが早く返済できそうですが、住宅ローン減税のベースとなるローン残高も減ります。そのため、返済をどんどん行ってしまうと、その分戻ってくるお金が減ってしまうのです。

一気に返し始めるのは10年間の現在期間あとがおすすめ

さきほどの例で考えてみましょう。毎月の返済額が75,000円の場合、10年間で戻ってくる額は約220万円です。一方、毎月の返済額を50,000円とした場合、10年間で戻ってくる額は243万円です。ここに、75,000円と50,000円の毎月の差額の累積を加えると、513万円にもなるのです。したがって、住宅ローン減税が効いている間はなるべく多く減税の効果を享受し、浮いた分のお金は運用に回すなどして、減税期間が終わってから一気に返し始めるのが賢いやり方であるといえます。

なぜここまで言い切るかというと、手元資金を切り詰めてでも早めに返さなければいけないと考える人がいらっしゃるからです。マイホームは人生の中で最も大きい買い物。人生を豊かにするために購入したのであれば、できるだけ手元資金の余裕は残しつつ減税効果を享受し、余裕を持った返済計画を立てましょう。


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筆者プロフィール

取材の学校 ライター 堀江賢一

1977年生まれ。福岡県育ち。九州大学大学院理学府修了。中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー(AFP)。 大手電機メーカーにてグローバルSCMプロジェクトやインターネットコンテンツ配信システムの販売、事業部改革プロジェクトなどに携わる。システム開発、販売、組織改革と、企業組織活動のあらゆる面を経験。その後コンサルティング企業を経て、現在はインターネット企業で、クラウドの事業戦略やマーケティング戦略の立案と実行に尽力している。戦略と実行計画の立案、プロジェクト推進が得意。 趣味はアカペラとテニス。友人と5人でアカペラユニットを組んでおり、結婚式などで歌を披露している。全日本テニスランキング保持者。

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