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海外のキャッシュレス事情。日本からキャッシュレス旅行できる?
決済を知る

海外のキャッシュレス事情。日本からキャッシュレス旅行できる?

花輪陽子
2019
09
10

日本で最近トレンドになっているキャッシュレス決済。海外旅行に行く際にも日本のキャッシュレス決済は有効なのでしょうか。シンガポール在住で東南アジア諸国を訪問する機会も多いFPの花輪陽子が海外のキャッシュレス事情をお伝えします。

ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。日本ではタクシーなどで中国のサービスWeChatPay(微信支付)が使える場合もありますが、日本人が海外に行った際にキャッシュレスはどれくらい使えるのでしょうか。

日本発行のクレジットカードはほぼ問題なく利用できる

東南アジアの多くの国では日本で発行したクレジットカードはほぼ問題なく利用できます(保険、自動車、住宅など一部の大きな買い物などを除く)。VISA、Mastercardは利用できる場所が多く、JCBやアメックスなどは店舗によります。

QR決済に関しては各国で独自のサービスがある場合が多いです。例えば、シンガポールだとGrabPay、中国だとWeChatPay(微信支付)など。アプリをダウンロードして、国際クレジットカードを登録すれば、外国人でも利用できるサービスもあるようです。ただし、あくまでも自国民のために作られたサービスのために、全て同じ条件では利用できない場合もあります。国によってシステムが変わるので事前に使えるか確認する必要がありそうです。

従って、現地のペイサービスを利用するよりも、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードなどを利用するのが現実的です。

タクシーや小さな小売店などは現金払いしかできないという場合もありますが、多くの国では日本以上にキャッシュレスが進んでいます。

「現金の流通量とカード決済の国際比較2015」によると、現金の流通量対GDPは日本19.4%に対してインド12.3%、シンガポール9.6%、英国3.7%、スウェーデン1.7%と、国際決済銀行(BIS)傘下の決済・市場インフラ委員会(CPMI)のメンバー国の中で、日本の現金比率は突出して高いことがわかります。キャッシュレス化が急速に進行しているスウェーデンのなんと11倍にも達するのです。

現金両替よりクレジットカードの方がおトク

銀行で円を米ドルに両替すると1ドルあたり3円程度の手数料が必要になることもあります。コスト面から考えると、クレジットカードで支払う方が有利になります。

クレジットカードでの手数料は2%前後で為替レートもクレジットカードが仲値に近いレートで取引をするからです。また、日本発行のカードはポイント還元率も1%前後と良いのでポイントを貯めることもできます。

クレジットカードの裏技として、現地ATMからキャッシングでお金を引き出す方法もあります。キャッシングにかかるコストはキャッシング利息のみで借りる期間によっては低く済みます。

例えば、年利15%とすると1日あたり0.041%程度。たとえば、10万円を10日借りるなら410円程度です。帰国後すぐに繰り上げ返済の手続きをするのがベターです。

クレジットカード払いが苦手という人は、使った分が銀行口座から即引き落とされる「デビットカード」や、前払いの「プリペイドカード」を利用する方法もあります。

海外で使える決済手段とその特徴をまとめましたので、参考にしてみてください。

【現金両替】
銀行が1日1回決める相場の参考値(仲値・TTM)に一定の両替手数料が上乗せされます。日本円から米ドルに両替をする場合、1米ドルあたり3円程度が相場です。

【クレジットカード】
仲値に近いレートにカードのブランド会社が定める手数料1.6%程度がかかります。キャッシングの場合はキャッシングの利息がかかります。

【デビットカード(VISAデビットカードの場合)】
VISAの指定するレート(仲値に近いレート)に海外取引に関わる手数料として3%程度を加えたレートで円価に計算されます。VISA加盟店で利用可能です。

【海外専用プリペイドカード】
Visaトラベルプリペイドなど日本の銀行やコンビニATMなどでチャージしておけば「現地ATMでの引き出し」や「ショッピングでの支払い(加盟店)」に利用することができるものもあります。

現地でお金が足りなくなったら不安と現金をついついたくさん持ち込む方も多いようですが、このように、現地通貨を準備する手段はたくさんあります。

とくに新興国の通貨は現金両替手数料が高額になるため、クレジットカードなどとの併用が効果的なのです。

たくさん現金を持ち歩いたりホテルの金庫に預けたりすることには盗難リスクという不安がつきまとうものです。現金は必要最低限にし、カードを上手に活用しましょう。また、渡航前にガイドブックで現地の通貨について調べたり、為替をチェックしたりしておくことも大切です。

筆者プロフィール

花輪陽子

外資系投資銀を経てFPとして独立。著書に『少子高齢化でも老後不安ゼロ シンガポールで見た日本の未来理想図』、監修本にジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中ロ朝鮮半島の激変から人とお金が向かう先を見抜く』 (講談社+α新書)など。

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