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消費税増税と軽減税率でキャッシュレスはどう変わる?
決済を知る

消費税増税と軽減税率でキャッシュレスはどう変わる?

マネーツリー編集部
2019
09
18

2019年の10月から、消費税増税と軽減税率の適用が実施されます。それに伴い、経済産業省がキャッシュレス決済時にポイントを還元する施策を打ち出しています。マネーツリー編集部は、これらの詳細や施行前に気をつけたいポイントをFPの風呂内さんに伺いました。

マネーツリー編集部:10月から消費税増税と軽減税率が施行されますが、具体的な内容を教えてください。

風呂内FP:今年の10月に消費税が8%から10%に上がります。ただし、たとえば食品といった生活に必要な商品の税率は軽減税率の対象となり、8%のままです。

軽減税率の区分はちょっと複雑です。食品の中でも、酒と外食は軽減税率の対象外になります。なので、たとえば、みりんは調味料に見えますが、アルコール度数が1%以上のものは酒に分類されるので税率は10%です。ただし、「みりん風調味料」のようなアルコールが1%未満のものは食品に分類され税率は8%になります。フードコートで買った品物は、店内で食べると外食なので10%ですが、持ち帰るなら8%です。その他にも、医薬品や医薬部外品に該当する栄養ドリンクやサプリメントは、食品ではないので税率が10%というようなこともあります。

マネーツリー編集部:増税・軽減税率の施行前にやっておいた方がいいことはありますか?

風呂内FP:今回、増税に合わせて、政府はキャッシュレス決済を対象としたポイント還元を行います。2019年10月1日から2020年6月30日の期間中、中小店舗のお買い物で5%、大手のフランチャイズチェーン店のお買い物では、2%を上乗せしてポイントを還元するという制度です。

もともとクレジットカードなどのキャッシュレス決済を使えばポイントがつくので相対的に見ると、現金での支払いよりお得です。ポイント還元期間中は通常分に上乗せしてポイントが還元されるので、キャッシュレス決済を生活に取り入れるにはいいタイミングだと思います。

キャッシュレス決済だとお金を使いすぎてしまうと心配する人は多いですが、今は後払いのクレジットカード以外にも、前払いや即時払いができるキャッシュレス決済は多くあります。まずは食費や娯楽費など、一部の費用だけをキャッシュレス決済にして取りれるのがいいのではないでしょうか。たとえば、月初に食費を袋に分けて管理しているなら、食費を袋に入れる代わりに食費専用の銀行口座に入金しデビットカードで使うような方法です。自分の生活スタイルに合った決済方法を選びましょう。

マネーツリー編集部:増税前に買っておくとお得なものはありますか?

風呂内FP:微妙なところですが、気になりますよね。今回は8%から10%と、2%増税するだけなので、価格が変動しやすいものは買い急ぐ必要はないと思います。たとえば、日用品や通常時でも特価になるような商品です。

住宅も需要と供給のバランスでかなり値動きがあるので、急ぐ必要はないでしょう。それに住宅の場合、増税後に適用される減税制度なども変わってきますので、一概に8%だからお得とは言えません。税率で検討するよりは、欲しい物件が適正と思える価格で買えるかどうかを基準に選んだ方がいいと思います。

宝石やブランド品など百貨店で買うようなものは、比較的値段が変わらないので買っておいてもいいかもしれません。あと、いつも買っているなら、回数券やアミューズメントパークの年間パスなども増税前に買っておくとよさそうです。

マネーツリー編集部:施行された後に気をつけるポイントはありますか?

風呂内FP:増税とは直接関係ないですが、このタイミングで固定費をもう一回、見直すのがいいかと思います。平均的なデータを見ると、増税後は月に約4000円支出が多くなる計算になります。なので、固定費を4000円ほど減らせるなら、日々の買い物で多く支払うことになる増税分は気にしなくてすむはずです。

キャッシュレス決済でのポイント還元もあるので、明細をオンラインで確認したり、支出や収入などを見れるツールを用意するのもいいですね。家計簿アプリはキャッシュレス決済のデータを自動的に更新し、計上していくので便利です。レシートを整理したり、ノートを開いて記録したりする必要がなくなるのも利点ですね。

キャッシュレス決済は色々あって迷うという話もありますが、分類してみるとそう種類は多くないことに気がつくと思います。支払いが前払いなのか、即時払いなのか、後払いなのか。そしてインターフェイスがカードなのか、非接触なのか、コードなのか、でだいたい分類できると思います。

ファイナンシャルプランナーとしては即時払いか前払いの決済がおすすめです。あとは操作性の問題で、どのインターフェイスを使いたいかで決めていきましょう。新しいものが出て来た時も、この分類にあてはめることで自分に合ったものを選べるようになるんじゃないかなと思っています。

筆者プロフィール

マネーツリー編集部

2012年に日本で起業。2013年より自動で一括管理する個人資産管理サービス「Moneytree」を提供し、AppleのBest of 2013、Best of 2014を2年連続で受賞。2015年より金融データプラットフォーム「Moneytree LINK」を企業向けに開始し、業界標準の金融系APIを提供している。2017年よりオーストラリア市場でサービスを開始。創業当初よりSalesforce Ventures、SBIインベストメント、三大メガバンク系ファンド、地方銀行系ベンチャーキャピタル、海外大手運用会社から出資を受ける。お金にまつわるもっとも信頼されるプラットフォームの構築を目指す。

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