今年10月から消費税が8%から10%に上がる予定です。消費税率増税に伴い、キャッシュレス決済をした場合には、ポイントが還元されることなどが検討されています。これまで現金派だった人も、少しずつキャッシュレス決済を使いこなすトレーニングをするとよいかもしれません。

スマホ決済は通常のキャッシュレスより一歩進んだワザ

キャッシュレス決済の話に入る前に整理をしておきたいのが、キャッシュレス決済とスマホ決済の分類です。キャッシュレス決済とは、スマホ決済だけでなく、電子マネーやクレジットカードなども含めた「現金を使わない決済」全般のことを指します。一方、スマホ決済とは「スマートフォンだけで支払いが済む決済手段」のことを指します。

「スマホ決済」を便利に使いこなすためには、自分が使っているスマートフォンに対応している決済手段を把握したり、手持ちのカードや銀行口座と紐付けたりする必要があります。そのため、これまで積極的にキャッシュレス決済を使っていなかった人にとっては、実物のカードを使って支払うキャッシュレス決済よりも、難しく感じるかもしれません。キャッシュレスの第一歩としては、無理にスマホ決済にこだわらず、まずは電子マネーやクレジットカードなどの実物カードを使ったキャッシュレス決済に慣れてみるというのも良い選択肢です。

スマホ決済を大きく3つに分けてみる

キャッシュレス決済の中でもスマホ決済を選ぶ利点は、やはりその便利さにあるでしょう。たくさん荷物を抱えている時に鞄から財布を探す手間もなくなりますし、急いでいる時の支払いもスピーディ、ちょっとした外出でもスマホさえ持っていれば概ね対応できるようになります。

実店舗でのスマホ決済の種類は、大きく3つに分けられます。 1つ目は、SuicaやiD、QUICPayなどに代表される「TypeF」を使って決済するもの、2つ目はMasterCardやJCBなどの国際ブランドの非接触決済である「TypeA/B」を使って決済するもの、3つ目は、QRやバーコードなどの「コード」を使って決済するものです。それぞれの特徴を見ていきましょう。

国内ならTypeF、海外「でも」ならTypeA/B、シンプルフォンならコード決済

「TypeF」とはソニーで開発された、日本を中心に使われている非接触決済の規格です。Google PayでSuica、nanaco、楽天Edy、WAON、QUICPayを使って決済をする時や、Apple PayでSuica、iD、QUICPayを使って決済するときはTypeFを使っています。

Suicaが使えるのなら、PASMOやICOCAなどの交通系電子マネーも大抵は利用できるため、Google PayやApple PayのSuicaを使いこなせるようになれば、国内のかなりの支払いをスマホに置き換えることができます。ただし、海外では通常利用できません。

同じApple Payでも、世界で標準的に利用されている「TypeA/B」による決済であれば、海外でもスマホ決済ができるようになります。通常、Apple PayにMasterCardやJCBなどのクレジットカードを取り込むとiDやQUICPayなどのアイコンがつき「TypeF」として決済を行うように設定されますが、対応しているカードだとMasterCardやJCB のアイコンもつき「TypeA/B」としての決済も選べるようになります。

Apple Payが日本で使えるようになったのは、世界より少し遅れましたが、これは元々Apple PayはTypeA/Bによる決済を実装していて、日本に導入する際にTypeFでの決済機能を追加したからでした。日本では当初、TypeFによる決済だけが可能でしたが、2017年秋からは、TypeA/BによるApple Pay決済もできるようになったため、対応カードであれば、海外でもApple Payが使えます。

日本のiPhone、日本のカードの場合、TypeA/Bの決済が可能なのはMasterCardやJCBのみで、AMEXやVISAは対象外です。渡航中は特に荷物も増えるので、スマホで払えると楽ですし、国内外で同じカードを紐付けて利用できれば、支払いを一元管理しやすくなります。

ただし、すべてのMasterCardやJCBをApple PayでTypeA/Bの決済カードとして取り込めるとは限らず、対応しているカードを調べる必要があります。海外でのApple Payによる支払いが可能で、よく使われているカードだと、楽天カード(MasterCard/JCB)やdカード(MasterCard)、イオンカード(MasterCard/JCB)などです。

最後の「コード決済」は、「TypeF」や「TypeA/B」による決済に慣れた人にとっては、正直面倒に感じるかもしれません。アプリなどでQRやバーコードを表示させて店舗に読んでもらう、あるいは店舗のコードをスマートフォンで使って読み込んで支払いをします。

非接触の決済より、支払時の操作が増えるため手間ですが、端末に求める機能が少ないという利点があります。非接触決済を使うためには、スマホの端末がそれに対応している必要があります。iPhoneだと7以降である必要がありますし、Androidでもおサイフケータイに対応していない端末の場合、非接触決済は行えません。

コード決済の場合、コードを表示できさえすれば利用できるため、新しくないモデルの端末を使っていたり、機能が少ないシンプルなスマホを利用していたりする場合でも、スマホ決済ができる利点があります。ただし、コードによる決済はメインで活用するには使える店舗が少なく、決済の種類は広く分散している印象もあります。

国内利用であれば、Google PayやApple PayのSuica利用、海外利用も一元管理したい場合は利用できるカードを研究してApple Pay、端末にあまりお金をかけたくない人はコード決済、など、自分のライフスタイルに合った方法を少しずつ取り入れていけると便利です。


執筆者:風呂内亜矢

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者/1級ファイナンシャル・プランニング技能士)、宅地建物取引士。1978年生まれ。岡山出身。 IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです~お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか~』(祥伝社)等がある。

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