このブログでは過去にもスマートスピーカーの話題を取り上げてきました。それは今後、金融に関わる様々な処理においても、ボイスインターフェースが果たす役割が大きくなっていくと考えられるためです。今回のブログでは、スマートスピーカーの世界で、どのような動きがあるのか見ていきたいと思います。

Google Homeの躍進とアジア市場の伸び

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アメリカでは、様々な業種のユーザーサポートの窓口にテキストメッセージを使ったチャットシステムが取り入れられるようになっています。しかし、今でも、電話のように実際の対話を通じて顧客サービスを受けたいと思う消費者は一定数存在しています。

そのようなニーズに対して、従来は人間が電話口で対応していたのですが、これをAIによる自動応答に切り替えていこうというのが現在の潮流です。

さらに、グーグルが開発中のGoogle Duplexと呼ばれるサービスを用いると、AIが自然な合成音声を使って問い合わせを代行してくれるようになります。将来的には、電話のこちらとあちらでAI同士が会話して問題が解決するようなことすら、視野に入ってきています。

そういうわけで、スマートスピーカー分野の開発競争も、ますますヒートアップしており、後発だったGoogle Homeシリーズは、2018年第1四半期の世界出荷台数でついに元祖Amazon Echoシリーズを抜いてトップセラーとなりました(もちろん、これは累計のインストールベースではなく、あくまでも四半期の販売数での結果ですが…)。

と同時に、アメリカ中心だったスマートスピーカーのマーケットも拡大し、今では米国市場は全体の50%を下回って、中国や韓国といったアジア市場が伸びてきています(調査会社カナリーズ調べ)。

Amazon Alexaの意地

もちろん、出荷台数ではグーグルの後塵を拝したアマゾンもそれに甘んじることなく、Amazon Echoシリーズの頭脳ともいえるAIアシスタントのAlexaの機能強化によって巻き返しを図るつもりです。

最近発表された英語版Alexaのアップデート(数週間~数ヶ月の間に順次展開予定)では24もの新機能が追加されました。その中から特に興味深いものをピックアップしてみましょう。

まず、Alexa Guardは、留守中の自宅などで不審な物音などを感知すると、ユーザーに通知してくれるというもので、Amazon Echoが簡易型のホームセキィリティデバイスになります。

また、Alexa Hunches(予感の意)は、その名の通り、スマートホームデバイスをコントロールする際に、気を利かせて提案をしてくれるという機能です。たとえば、就寝時にAlexaに対して「おやすみ」と声がけした際に、他の部屋の明かりが点いたままだったとすると、Alexaが、そちらも消しておくかどうかを尋ねてくれるという具合に、よりアシスタントらしい応答をするようになります。

Alexaに小声で問いかけると、Alexaも小声で返事をするWhisper(ささやき)Modeというものも追加されました。これは、人間ならば、相手に合わせてごく自然に行うこうした反応を、AIアシスタントが身に付けた好例といえるでしょう。自分でも、仮眠をとろうとしてアラームのセットをAlexaに頼むときでも、普段と同じ大きめの音量で復唱されていたので、こうしたモードの追加はありがたいです。

ユーザーがプログラミングの知識なしに自分/家族用のスキル(音声アプリ)を自作できるAlexa Blueprintsは(英語版で)以前からありましたが、今回のアップデートより、完成したスキルを第三者と共有することが可能になります。たとえば、自慢のレシピを声のインストラクションとしてまとめ、それを公開して他の人に使ってもらうような利用法が考えられるでしょう。しかし、それ以前に、Alexa Blueprints自体の日本語対応がまだ行われていないので、先にそこを対処してほしいというのが本音です。

課金システムの強化

アマゾンはスマートスピーカーを使ったマネタイズにも積極的に取り組んできました。それは、アマゾンの利益のみならず、スキル開発者・提供者のメリットにもなる仕組みの構築です。

これまでも、出前や宅配のスキルを作り、Amazon Echo経由で注文を受けられるようにすることでビジネスを支援するといった間接的なマネタイズの方法や、(米国、英国、ドイツのみですが)アマゾン自体が人気の、あるいは優秀なスキルに対して報奨金を支払うやり方で、開発者・提供者に利益を還元する方法を取ってきました。

今年の5月からはアメリカで、サードパーティがAlexaスキルを使って製品やサービスの販売を行ったり、無料スキル内でのコンテンツ課金(音声ゲーム内での特殊アイテムやスペシャルキャラクターの購入など)が解禁となり、今後はこの流れが日本を含む各国へと広がっていく見込みです。

イメージとしては、スマートフォンなどのモバイルアプリでマネタイズする手法が、そのままスマートスピーカーでも可能となる感覚で、冒頭で触れた企業のボイスインターフェースへの関心の高まりと共に、この領域も大いに盛り上がることが期待されているのです。


執筆者:大谷和利

テクノロジーライター,原宿AssistOnアドバイザー,自称路上写真家。Macintosh専門誌, デザイン評論誌, 自転車雑誌などの誌上でコンピュータ,カメラ,写真,デザイン,自転車分野の文筆活動を行うかたわら,製品開発のコンサルティングも手がける。原宿アシストオンのウェブサイト

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