ブログ
/
必要な時だけ保険、1日保険・オンデマンド保険
将来に備える

必要な時だけ保険、1日保険・オンデマンド保険

風呂内亜矢
2018
08
15

金融(Finance)と技術(Technology)からの造語であるFinTechは、技術の力で金融を便利にする流れです。保険(Insurance)においても、インシュアテック、インステックという言葉があります。

多くの人がスマホを持つことによって、スマホで契約完結できたり、1日だけの小口契約ができるようになっていることも、インシュアテックの1つと言えそうです。そこで、今回はインシュアテックの流れと新たな保険サービスについて紹介したいと思います。

インシュアテック、リスク細分化だけじゃない

一般的に、インシュアテックとは、健康を心がける生活習慣がある人や、自動車事故が少ない人の保険料を割安にするなど、ビッグデータを活用してリスクを細分化できるという視点で注目されることが多いです。一方で、遺伝的要素や、居住地など、本人の努力で改善することが難しいことを保険商品として反映するのは、倫理的な観点から単純には進まず、難しい側面もあるようです。

リスクの細分化よりもシンプルでわかりやすいインシュアテックとして考えられるのが、契約の小口化です。従来であれば、1ヶ月や1年単位での契約でなければ、事務作業のコストを考えると見合わず受けられないと考えられた内容も、人が対応するのではなくスマホで自動的に受け付けられるのであればと、単位が短くなってきています。

今日だけ実家の父の車を運転する

自動車保険では、主に運転する人の年齢や、家族や友人の中で他に誰が運転する可能性があるのかを選んで契約することが一般的です。車種や契約者、家族の年齢にもよりますが、本人しか運転しないと決めた場合、年間数万円程度の節約になることもあります。この場合、その車を運転して補償の対象となるのは、本人が運転した場合のみで、他の人が運転した場合は補償を受けることができません。

こうしたケースで有効なのが、1日だけ加入できる自動車保険の存在です。例えば日頃は運転をすることがない実家の父親の車なども、帰省しているタイミングだけ運転する機会がでてきた、といったケースで、その時だけ加入できる保険があります。

補償内容によって金額は異なりますが、1日だけの加入で500円といったものが多く、必要な時だけ加入できる利便性が魅力です。要求に応じて(オンデマンド)必要な時だけ加入できるため、オンデマンド保険と呼ばれることもあります。

例:セブンイレブンで申し込める三井住友海上「1DAY保険」、docomo・au・SoftBank契約のスマホから申し込める東京海上日動「ちょいのり保険」など

レジャーや国内旅行などでも1日保険が

ゴルフやスノーボードなど、日常生活よりもケガをする可能性が高まると考えられるシーンに対して、1日だけ加入できる保険商品もあります。

例:SoftBank・損保ジャパン日本興亜「スポーツ・レジャー保険(ソフトバンクかんたん保険)」、docomo・東京海上日動「スポーツ・レジャー保険」、au損害保険「国内旅行の保険」、三井住友海上「1DAYレジャー保険」など

従来から月単位や年単位での加入は可能でしたが、ピンポイントな1日だけ加入でき、しかもスマートフォンでの手続きで完結するようになっている点は、テクノロジーが利便性を高めているといえます。

その他にも、24時間など、必要な時だけデジタルカメラに保険をかけるサービスなども登場しています。普段はカメラを壊すことがないとしても、キャンプなどに出かける、リスクが高まると感じる時だけ、数十円や数百円単位で保険に加入することができます。

例:Warrantee「Warrantee Now」、JustinCase「Just in Case」など

思いついたときに手元の操作で加入して、必要な時に必要な分だけ保険に加入できることで、保険料総額は圧縮し、利便性を高める効果があります。

ただし、単価としては割高となるため、毎月2回以上保険を必要とする事象が発生するなどの場合では、従来の月額・年額契約の方が有利なこともあります。自分が補償を必要とする頻度と見比べながら上手に使えると有利でしょう。

筆者プロフィール

風呂内亜矢

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者/1級ファイナンシャル・プランニング技能士)、宅地建物取引士。1978年生まれ。岡山出身。 IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです~お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか~』(祥伝社)等がある。

この記事をシェアする

当社ウェブサイトは、外部サイトへのリンクを含んでおります。リンク先サイトでの個人情報への取扱いに関しては、そのリンク先サイトでの個人情報保護方針をご確認ください。 当社の個人情報保護方針はそのリンク先サイトで提供されている内容に責任を負うものではありません。

Get the Moneytree app
ポイントも電子マネーもまとめて管理
さっそくMoneytreeを試してみよう

人生100年時代を支えるために
Moneytreeで資産管理を始めよう

関連記事