大学生ともなると、自分でお金を管理する人が増えるようになる時期です。そのタイミングで、投資が話題になることもあるでしょう。場合によっては、誰かが投資の勧誘をしてくることもあるかもしれません。そういったときは、どうすればいいのでしょうか。

これからの時代、投資は避けて通れない存在に

大学生になると、アルバイトを始めたり、親元を離れて生活をしたりするなど、お金を自分で管理するようになる時期に突入します。そのため「お金とはどういうものなのか」「どうやってお金と付き合っていくのか」といったことを考えていかなければなりません。

投資について考えることも、必要なことのひとつです。昔は、まじめに会社で働き続ければ、金利の力で、ある程度の資産を手に入れることができました。しかし、超低金利が続く昨今の環境では、投資を含めた資産形成が重要になってきています。もしあなたが「投資はしたくない」と考えていても、就職した会社が「確定拠出年金」を導入していれば、投資について考えざるを得なくなるでしょう。

これだけ身近な存在になっている投資ですが、大学内で投資勧誘が行われているケースがあるようです。 そんなときには、安易に話に乗るのではなく、投資するべきかどうかを冷静に判断しなければなりません。

投資にリスクはつきもの

投資とは「利益を得るために、将来を見込んで資産を投じるもの」であり、「うまくいけば資産は増えるが、失敗したら資産は減る」というリスクが必ず存在します。そして、リスクが低いものは、安全性が高い分だけ、得られるリターンが少なく、リスクが高いものは、失敗する確率が高い分だけ、うまくいったときのリターンも多くなります。そのため、必ず成功する投資というものはなく、うまくいくものとうまくいかないものが混在しています。

なお、誰かから誘われる投資話のすべてを否定するつもりはありません。しかし、一般的に、そういった投資話では、大きなリターンがうたわれており、ハイリスクなものが少なくないのも事実です。中には、詐欺まがいのものあります。実際の投資判断は、注意深く行う必要があります。

どうしてその投資で資産が増えるのか

では、投資するかを検討するときには、どのようなことを考えればいいのでしょうか。まず、その投資では、どのような仕組みで投資資金が増えるのかを考えましょう。つまり、いろいろな人が投資して集まった資金で、どのような事業が行われるのかを調べるということです。

例えば、株式投資であれば、株主が出資した資本をもとに製品を販売したり、サービスを提供したりして利益を得ます。不動産投資であれば、投資資金で購入した不動産を誰かに貸すことで、家賃収入を得ます。その利益の一部が出資者に分配されるのです。 これと同じように、その投資話では投資資金がどのように使われるのか、そのメカニズムを知り、その上で、事業がうまくいく可能性が高いのかどうかを考えてみましょう。

例えば、「ある商品を販売した利益を分配する」というのであれば、それがどんな品物で、本当に売れそうなのかを考えます。より具体的に、いくらでどれくらい売れそうなのか、その結果、利益がいくら残りそうかまで想定できるといいでしょう。実際に自分が事業を行う場合だけでなく、その商品を買う側の気持ちになってみることも重要です。

想定通りにいかないのはどういう場合か考える

その一方で、考えたくはないことかもしれませんが、「うまくいかないケース」も考えておかなければなりません。むしろ、うまくいかないケースを考えることの方が大切といっても言い過ぎではありません。

「投資している事業が破たんしてしまった場合」など、どう考えてもお金が増えることはなさそうな場合だけを考えていればいいのではありません。仮に、「年利5%程度のリターンが期待できる」と言われているのであれば、「リターンがマイナスになるケース」や「リターンが2%くらいにしかならないケース」が、どの程度の確率で起きそうなのかを考えてみましょう。

わからない=リスクが高い、ととらえる

ここまで、「資産が増える可能性は高いのか」、「うまくいかないのはどんなケースか」といったことを考えるべきだとお話ししましたが、これを実際にしようとするのは大変なことです。

上場している会社であれば、直近の決算データが開示されています。不動産投資であれば、仲介する業者が想定シミュレーションを作ってくれることもあるでしょう。しかし、こういったデータを手に入れることができたとしても、正しい判断ができるとは限りません。ましてや、勧誘された投資話であれば、限られた情報しか入手できない場合がほとんどです。中には、ただ「儲かる」という宣伝文句だけが独り歩きして、実態がほとんどわからないものもあります。

ここで大切なのは、「わからなかった」で済ませるのではなく、「わからないということは、それだけリスクが高い」と認識することです。限られた情報の中で、「わからない部分はリスク要因だ」とした上で、それに投資する価値があるかを判断しましょう。

理解できないものには投資するべきではない

勧誘された投資話はもちろんですが、どんな投資でも、「理解できないものには投資するべきではない」というのが基本スタンスです。そう言ってしまうと、「どの投資話にも投資できないじゃないか!」と思う人もいるかもしれません。

しかし、よく考えてみてください。あなたの大切な資産を、よくわからないままに投資してしまってもいいのでしょうか。うまくいった場合はいいかもしれませんが、「原因はよくわからないけれど、投資したお金が返ってこなかった」場合、それに納得できるでしょうか。そのときに後悔するようなら、無理に投資するべきではないでしょう。どうしても投資したいのであれば、失ってもかまわない程度の少ない金額にしておくのが良いでしょう。

まとめ

投資は自己責任です。これは、「高いリターンを要求する代わりに、損失が出た場合にも責任を取る」ということです。だからこそ、投資したお金がどのように使われるのかをしっかりと理解してから、投資するべきかを判断するようにしましょう。

投資したお金は「ボランティアで誰かがあなたのために増やしてくれる」のではありません。「あなた自身が頭を働かせて、自らの手で資産を増やすんだ」という強い意志を持ち、利益が出る可能性が高いものを見極めようとすることが、遠回りのように見えて、実は投資で成功する近道なのです。


執筆者:横山研太郎

ねこのて合同会社 代表。1978年大阪生まれ。1級ファイナンシャルプランニング技能士。保険と投資をミックスした「守りと攻めを両立させる」資産形成プランを提案する。大学の非常勤講師を務めるなど、金融教育にも積極的に取り組んでいる。

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