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2018年から始まるつみたてNISAって?
制度を知る

2018年から始まるつみたてNISAって?

風呂内亜矢
2018
01
15

2018年から新しく始まる”つみたてNISA”という制度があります。2014年からスタートしているNISA(少額投資非課税制度)に比べて、投資を初めて検討する人に優しい制度設計になっていますが、どこがどう違うのでしょうか。

年間40万円までを最長20年間運用できる

NISAでは、年間120万円の運用を原則5年間(最長10年間)、非課税で運用することができます。対象商品は株式や投資信託などの中から自由に選択できます。120万円をずっと運用する必要はなく、例えば10万円の株式の売買でも12回行うと120万円の枠に達します。つみたてNISAでは年間40万円までを非課税で運用でき、運用期間は最長20年です。NISAでは5年の非課税期間が終了する際、新しい年の非課税枠を利用することで最大10年まで非課税期間を延長することができます(ロールオーバー)が、つみたてNISAではロールオーバーの制度はありません。

つみたてNISAの対象商品は、国が定めた基準をクリアした投資信託のみとなっています。約6000本ある日本の投資信託のうち、運用会社から届け出があり承認されている対象商品は約120本です(2017年12月時点)。

商品の選定基準は、手数料の安さや長期的に運用を続けて行きやすいことを重視した要件となっています。NISAでたくさんある商品の中から、適切なものを選ぶことが大変と感じていた人にとっても、対象商品であれば、概ね安心して購入しやすいといえます。

“積立”で運用する

NISAでは、手元にお金がある時や、市場の相場が低いときなどを狙って株式を購入することができます。投資信託を購入する場合でも、状況に合わせて都度購入する”スポット”や、毎月決めた定額を自動的に購入する”積立”のどちらでも好きな方を選択することができました。

つみたてNISAでは、名前の通り”積立”で運用することが基本となっていて、自分がタイミングを見計らって購入する”スポット”で取り組むことができません。証券会社毎の設定によりますが、毎月や隔月、年に2回など、予め決めた一定のルールに従って自動的に購入を継続することになります。

年間最大40万円のため、毎月積立を行うとして、設定できる金額は約3万円です。毎月積み立てることに無理を感じない金額で、コツコツ運用をスタートすることができます。

コツコツ積立を行うため、預貯金に近い感覚で取り組める利点はありますが、対象商品に保険や定期預金などの元本確保型の商品はありません(確定拠出年金との相違点)。リスクを含む金融商品であるため、積み立てた金額が元本割れする可能性があることは覚悟する必要があります。

資産運用には、増えたり減ったりしても構わないと思える金額を充てるという原則があります。感覚としては、向こう10年や20年、すぐに引き出す必要のないお金に”遊び”を持たせ、増える可能性を期待するという付き合い方が適当でしょう。

なお、NISAとつみたてNISAは併用ができないため、どちらで運用をするのかは選択する必要があります(一応、年に1度、どちらにするのかを選ぶこともできます)。

値下がりしていたら思わぬ納税も

20年の非課税期間が終了すると、通常の課税口座に移管されます。その際、購入している投資信託の評価額が下がっていた場合、取得したとみなす額も低くなる点には注意が必要です。

例えば、コツコツ買い進めた投資信託で、元本の合計が720万円だったとしても、20年を迎えた時の評価額が700万円で課税口座に移管された場合、700万円が取得額となります。このケースでは、課税口座に移管された後に720万円に評価額が戻った場合、差額の20万円が課税対象となります。

20年を迎えてしまうと、課税口座に移管する選択肢しかなくなりますが、それまでであれば、売却するという選択肢も残されています。非課税期間を2,3年残した、運用開始から17,18年を超えてきたら、徐々に売却して運用のゴールを迎えるなどの取り組み方をすると安心でしょう。

基本的には初心者が始めやすく、商品を厳選した制度設計となっていますが、リスクはあるということ、非課税期間を終了する際の注意点などには気を付けて検討するのが良いですね。

筆者プロフィール

風呂内亜矢

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者/1級ファイナンシャル・プランニング技能士)、宅地建物取引士。1978年生まれ。岡山出身。 IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです~お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか~』(祥伝社)等がある。

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