子供の教育資金の積み立てや老後を見据えて資産運用を始めたいけど、貯金や投資をどう考えて組み立てていいか分からない。そんなお金の悩みには、まず目的に合わせて資産を3つのカテゴリーに分けて考えることをおすすめします。

3つのカテゴリーとは、「すぐに使えるお金」「貯めるお金」「殖やすお金」です。

「すぐに使えるお金」で万一に備える

資産運用を考える前に、まずは万一の生活費として「すぐに使えるお金」を備えておく必要があります。手元に現金、預金をいくら残しておくかは、年齢や収入の安定度合いによって異なりますが、会社員の場合は最低でも月収の3ヶ月分、自営業者の場合は最低でも6ヶ月分は残しておくと安心です。

「貯めるお金」で数年内に必要になる支出への準備を

「貯めるお金」とは1~2年以内に使用するお金です。子供の年齢によっては教育費がこれに該当します。「貯めるお金」は定期預金や期間の短い債券、個人向け国債などで運用すると良いでしょう。貯蓄性の高い保険の場合は早期解約をすると解約返戻金が少ない場合が多いので、容易に解約ができる商品がおすすめです。

また、個人向け国債とは、国が発行する個人限定の商品で、国が元本を保証しているために一企業の債券と比べると安心感があります。「変動10年」「固定5年」「固定3年」と3種類がありますが、インフレに強いのは変動金利型の10年物の個人向け国債です。変動金利型の場合、金利は半年ごとに見直されます。金利は「基準金利×0.66」で決まりますが、最低金利保障として0.05%が設定されています。

個人向け国債が非常に有利なところは、発行から1年経過すれば、国が額面金額で買い取ってくれるということです(直前2回分の利子相当額が差し引かれます)。つまり、途中で解約をしても、原則的に元本が割れないということです。これが、普通の国債(利付国債)や事業債にはない強みです。通常の債券の場合だと、市場金利が上がれば、相対的に低い金利の債券を保有していると価格が下がってしまいます。そのため、途中売却をすると元本を割れる場合があるのです。個人向け国債は毎月発行されます。

米国の長期金利が上昇していますが、金利上昇時にも安心して持てるのは、1年など期間の短い定期預金や変動10年の個人向け国債などです。

「殖やすお金」はさらに未来を見据えた資産運用に

「殖やすお金」は当面使用予定のないお金です。老後資金の積み立てに充てるお金などがこれにあたります。債券や株式、投資信託などに長期投資をして、お金を殖やすことを目指します。

「殖やすお金」をさらに細分化する方法もあります。先ほどの老後のお金のためにポートフォリオを組むという長期的な戦略とは別に投機をするお金です。仮想通貨への投資、絵画やワインへの投資、競馬などはこちらに当たります。大きな収益が期待できる場合もありますが、大きく元本を減らしてしまうリスクも伴います。

「殖やすお金」を考える際には「投資」と「投機」に分けて考え、老後に必要なお金を投機につぎ込まないようにしましょう。投機はあくまでも趣味でなくなっても良いお金で行うことをオススメします。

株の保有率は「100 マイナス 自分の年齢」を基準に

「殖やすお金」の「投資」、どのようにポートフォリオを組めば良いのでしょうか。「100-自分の年齢」の法則というのがあります。投資の世界では「100から自分の年齢を引いた数字を株式の割合(パーセント)にする」のが目安とよく言われているのです。

例えば30歳の方なら、株式の割合はポートフォリオの70%にするのが目安です。50歳の方なら、株式の割合は50%になります。それまで持っていた株を売却していって徐々に債券に変えていけば良いのです。

なぜ株式から債券にした方が良いかというと、株式は高いリターンが期待できる反面値下がりや経営破綻などリスクも高いからです。できる限り安全に保有するには複数の銘柄が組み入れられた投資信託で保有することをお勧めします。その場合でも値下がりリスクは避けられません。

債券投資の場合は保有していると一定の利子が受け取れ(一部そうでない商品もあります)、満期まで保有していると額面金額が戻ってくるということです。また、途中で売却することもできます。

低リスクを望むなら、変動金利型の個人向け国債を

債券投資のリスクとしては、購入した債券の発行体が倒産する可能性があるということです。そうなると、場合によっては貸したお金が一部しか戻ってこないということもあります。また、途中で売却をすると価格が値下がりする可能性があります。たとえば、低い金利のときに買った債券は、金利が上昇すると売れにくくなります。2%の金利の債券が出るというときに、1%の金利の債券をわざわざ買おうという人はあまりいないでしょう。そうした場合は低い価格でしか売れなくなってしまいます。そのために、リスクを取りたくないという人は上記でおすすめした変動金利型の個人向け国債など国が発行している債券が良いでしょう。

働くことによって投資での損失を取り戻せる若い間はリスクをとってでも資産を殖やす戦略をたて、リタイアが近くなり労働で得られるお金が少なくなってきたら国債などの債券の比率をあげて安全な運用に切り替えていくと良いです。

資産運用3カテゴリー


執筆者:花輪陽子

1978年三重県生まれ。ファイナンシャルプランナー(CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)。元外資系の投資銀行に勤務。リーマンショックで「夫婦同時失業」を経験し、現職に転身。テレビ出演、雑誌監修など多数。著書に『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)『お金持ちになる女はどっち?』(PHP)など。

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