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年代別の平均貯金額とお金にまつわる悩みランキング
家計を見直す

年代別の平均貯金額とお金にまつわる悩みランキング

武藤貴子
2017
12
21

お金の悩みは十人十色。しかし、年代によってお金のテーマには共通点があります。まだ所得が少ないながら自分のことに使える20代と、結婚や出産などライフイベントの増える30代、そして、出費のピークを迎える40代では、お金について頭を抱えるポイントが異なっているのです。

どの年代にも貯金額は大きな関心ごと

マネー相談を行うと、各年代にはそれぞれ違ったお金の悩みがあることがわかります。年代ごとにお金の使い道は変わりますし、家族ができれば独身の時にはなかった心配ごとが増えるからです。しかし、どの年代でも必ず出てくるお金のテーマは、「貯金」です。貯める目的は違えども、「貯金ができない」「今の年齢なら、いくら貯めていれば良いですか」といった相談をよく受けます。それでは、20代~40代では、どのくらいの貯金をしているものなのでしょうか。

<20代>
・単身世帯…平均287万円、中央値158万円
・二人以上世帯…平均385万円、中央値215万円
<30代>
・単身世帯…平均957万円、中央値500万円
・二人以上世帯…平均612万円、中央値410万円
<40代>
・単身世帯…平均1,594万円、中央値789万円
・二人以上世帯…平均939万円、中央値602万円

出典:「家計の金融行動に関する世論調査(平成28年)[二人以上世帯調査][単身世帯調査]」金融広報中央委員会

上記のデータは、20~40代のうち、何らかの金融資産を保有している世帯の「金融資産保有額」を示しています。なお、「中央値」とは、「数字を小さい順に並べた時、真ん中に来る数字」のことを指し、平均よりも実情に近い数値ということができます。

各年代の資産の保有額(=貯金額)を見てみると、年齢が上がるにつれて金額が増えていることがわかります。「うちはこんなに貯めていない」と焦ってしまうものですが、しっかり貯めている人がいる一方で、「貯金ゼロ」の家庭も単身世帯で約半数、二人以上世帯で約3割もいます。周りと比べて一喜一憂するより、たとえ少しずつでも、お金を貯める仕組みができているかどうかに目を向けてみましょう。

20代の悩み1位はお金の管理法がわからないこと

では、各年代ではどのようなテーマでお金の悩みを抱えているのでしょうか。まずは、20代から見ていきましょう。

20代のお金のテーマランキング

・1位 お金の使い方や管理の仕方がわからない
社会に出て間もない20代。お給料をどうやりくりすればいいのかわからない、という声がとても多く聞こえてきます。まだ十分な収入があるとは言えない時期ですので、特に一人暮らしの場合、お金の管理がうまくいかない月には、生活費が足りなってしまうこともあるでしょう。

一方、実家暮らしなら本来お金の貯め時ですが、しっかり貯めている人と、趣味や買い物に浪費してほとんど貯金がない人とに差ができます。いざ実家を出て一人暮らしを始める時、それまで自分の好きなことに好きなだけ使っていた人は、やりくりに苦労するかもしれません。

有意義にお金を使いながらコツコツ貯金をするには、まずは毎月のお金の流れを把握することから始めてみましょう。「何にいくら使っているのか」がわからないままでは、無駄を省くポイントも見えてきません。毎月の支出を管理するには、家計簿をつけることが最も有効です。

家計簿アプリ「Moneytree」を活用するのも一つの方法です、シンプルで続けやすいので、面倒な手入力を省くことも可能。アプリから現金での出費だけでなく、銀行の口座残高やクレジットカードの利用明細も確認することできます。20代という早い時期から家計のやりくりだけでなく、資産管理まで一括して行うことで、貯金の目標額を達成する、投資意識が育つなど、様々なメリットが受けられるはずです。

・2位 保険加入や老後資金の貯め方で悩む
今の20代はお金に対してシビアに考える人が多く、「どの保険に入ればいいか」「今から老後のために何をすればいか」といった相談を受けることがよくあります。ただ、養う家族がいない20代の場合、基本的には、最低限の保障に備える医療保険で十分です。

老後の備えは、20代からコツコツ始めれば、後々の負担を減らすことができます。まだ早過ぎるとは思わず、余裕のあるうちに準備を検討してみましょう。老後のお金を用意する手立ての一つとして「確定拠出型年金」があります。確定拠出型年金は、勤め先の会社を通じて加入する「企業型」と、自分で金融機関に口座開設する「個人型」の二種類です。制度について、いろいろ調べてみると良いでしょう。


これらのブログも参考にしてください。・確定拠出年金について① なぜ今「確定拠出年金」なのか?
確定拠出年金について②個人型確定拠出年金のメリット

・3位 留学や結婚に備えるお金の準備方法
留学を希望している、20代で結婚を考えているなど、近い将来に使うお金はどう備えるべきでしょうか。おおむね5年以内に使い道が決まっているお金は、安全な方法で手堅く増やすのが理想です。定期預金や個人向け国債など、元本割れの心配がない商品でしっかり資金を確保しましょう。

30代、40代は家族のお金で悩む

30代、40代になると、お金のテーマは、対象が自分から家族へと移ります。30代と40代ではお金のテーマも微妙に異なるものですが、どのような内容なのでしょうか。

30代のお金のテーマランキング

・1位 一時的な収入減と出産による出費の増加
最近では、30代で結婚や出産を迎える人が多くなりました。出産前後は、産休や育休の取得、または、時短勤務や子どもが大きくなるまで妻が仕事を辞めるなど、一時的に収入が減る家庭もあります。

さらには、収入が減ったにもかかわらず、出産によって出費が増加することで、家計が圧迫される「ダブルパンチ」も。こうした収入減・出費増に対応するためには、あらかじめ固定費を節約しておくことがおすすめです。

・2位 マイホーム取得の費用
30代で住宅を買うとなると、まだ十分に資金が用意できていないケースがあります。頭金をどのくらい支払うのか、また、生活費と住宅ローンの兼ね合いで悩む人が多くなります。

十分な資金がない場合は、無理をせず、お金を貯めて40代まで待つという選択をしても良いでしょう。購入するなら、頭金のほかに保険料や税金、引っ越し費用など諸経費がかかることに注意するほか、住宅ローンの返済で家計が圧迫しないよう十分考慮することが大切です。

・3位 キャリアや働き方で悩む
最近では、多くの女性が結婚後も変わらず働き続けるものですが、子どもが生まれたタイミングで今後仕事をどうするべきか悩み始め、相談にやって来る人が増えています。「一人目までは保育園に入れて職場復帰したけれど、二人目ができて専業主婦になることを考えた」「家にいたいけれど収入が減ることが心配」と、子育てとキャリアや収入の両立で葛藤するようです。

できるだけ子どものそばにいたい気持ちも大切ですが、一方で、一時的な気持ちの揺れで仕事を辞めてしまうことにはリスクもあります。いざという時、再就職が難しく大変な思いをする人もいるからです。働き方については、家族の希望するライフプランと照らし合わせながらじっくり話し合っていきましょう。

40代のお金のテーマランキング

・1位 教育費や生活コストの増加と老後資金の準備
40代になると、子どもが成長して教育費が多くなり、住宅を取得している場合は住宅ローンの負担も重くのしかかる時期。生活コストがかさむことで、家計のやりくりに追われますが、そろそろ老後資金の準備に取り掛かりたい頃です。

しかし、資金の捻出が難しく、自分たちのお金の問題は先送りしてしまう家庭が多いようです。ですが、50代、60代と定年が近づいてから老後資金を考えるのでは、負担や焦りが大きくなってしまいます。毎月の掛け金が5000円から始められる確定拠出型年金で備えるなど、まずは少額でも積立を始めてみましょう。

・2位 貯金ができていないことで不安
日々の生活に追われ、気づけば貯金をしないまま40代を迎えてしまった。何に困るわけではないものの、貯金がないことで漠然とした不安を抱き、マネー相談に来る方は意外と多いものです。最も出費の多い40代は、新たな支出項目を設けることが難しいものですが、いざという時のお金がないのはやはり危険。無理のない金額から老後資金の積立を始める、給料から天引きできる方法で「先取り貯金」をするなど、お金を貯めるため何か行動に移してみましょう。

・3位 親の介護費用について
自分たちの老後資金も気になる一方で、人によっては、親の介護について考え始める人も。「介護費用はいくらくらいかかるのか」「介護保険の内容は」など、40代に入ってから気になるようになったという声をよく耳にします。本人が望む介護のスタイルや、家族にできることは何かということを、余裕のあるうちに一度話し合っておくと良いですね。

年代によってお金の悩みは異なりますが、まずできるのは、毎月のお金の流れをしっかり把握すること。その上で、節約できるポイントを見つけ、無駄を省いていきます。また、ただお金を貯めるだけでなく、投資でお金を増やす意識を持つことも大切です。年齢にかかわらず、気づいた時に行動を起こせば、お金の悩みは必ず良い方向へ向かうでしょう。

筆者プロフィール

武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)。1983年埼玉県生まれ。会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやコラム執筆を行う。独立後は、起業のコンサルティング業務とともに、執筆や個人マネー相談、メディア出演などを中心に活動中。著書に『いちばん稼ぎやすい簡単ブログ副業』(河出書房新社)がある。

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