子どもの教育費は、一般的に、子どもが成長するとともに右肩上がりに増えていき、大学入学時でピークを迎えます。そのため、教育費のあまりかからない子どもが小さいうちこそ、お金の貯め時とされています。しかし、実際は、子どもが小さくても意外と出費がかさむことで、悩んでいる家庭は多いものです。

保育料の出費で将来の教育費まで手が回らない?

子どもの教育費は、最もお金のかかる大学入学時までに、300~500万円程度用意しておくのが理想的とされています。これだけの金額ですから、子どもが小さいうちから時間をかけてコツコツ貯めていく必要があります。しかし、小さい子どものいる家庭にとっては「そうは言っても、毎月の生活費をやりくりするだけで精いっぱい」というのが実情なのではないでしょうか。

小さい子どものいる家庭を悩ませている主な出費は、「保育料」。保育園に入れるかどうかは、共働き家庭にとって死活問題であり、仕事復帰には欠かせない費用です。しかし、保育料の負担は決して軽いものではありません。人によっては、せっかく復職したのに、保育料を引いたら手元にあまりお金が残らない、家計が赤字になるといったこともあります。

実際の月額保育料は?

厚生労働省の「平成24年 地域児童福祉事業等調査」によると、児童一人あたり月額保育料は「2万円以上3万円未満」が31.9%と最も多くなっています。なお、子どもの人数が多い世帯では、子ども一人当たりの保育料は下がり、一世帯における児童一人当たりの保育料の平均値は、20,491円。また、認可保育園に入れず認可外の保育園に入る場合、保育料はさらに高くなることもあります。

子どもが小さいうち、特に育休明けには、保育料以外の出費もかさみます。たとえば、子どもが病気になった時に預ける病児保育の費用や、忙しくて家事に手が回らない時に利用する家事代行サービスの費用。他にも、外食が増える、仕事復帰に向けて洋服を買い足すなど、知らず知らずのうちに出費が多くなります。

また、子どもの成長に合わせて様々な子育てグッズ、おもちゃなどを購入しますし、身内や友人家族と出かける機会にはレジャー費用がかかります。子どもが小さいうちは、塾や学校生活にかかる費用はまだ発生しないにしても、気づけば生活コストがかさんでいるものなのです。

それに、育休明けは、家事や育児の負担を考慮し、時短勤務を選択する人も多いでしょう。時短勤務とは、子どもが3歳になるまでは、6時間勤務にできる制度です。しかし、働く時間が短くなることで、休み前の収入と比較して大幅に減ってしまうこともあります。時短勤務では、短縮された勤務時間に対する賃金が保障されないためです。なお、時短勤務は、毎月の給料だけでなく、ボーナスの金額にまで影響が及びます。

このように、「子どもが小さいうちにお金を貯めよう」と意気込んでも、実際には意外と生活費がかかり、さらには収入が減るというダブルパンチを受けることも。そうなれば、将来のためにお金を貯める余裕はなくなってしまいそうです。

節約効果が続くのは、固定費。産休・育休前に見直しを

では、子どもが小さいうちの家計は、どのような点に気を付ければ良いのでしょうか。基本的には、家計の中で節約ポイントを見つけ、無駄を省いていきます。が、仕事と家事、子育てに忙殺される中、食費など日々お財布から出ていくお金を削るのは神経を使いますし、ストレスが溜まるものです。

そこで、固定費に無駄がないかチェックしてみましょう。毎月決まって出ていく固定費を一度見直せば、その節約効果はずっと続くからです。たとえば、通信費を安いプランに替える、必要ない保険を整理するなど、削れるお金がないか洗い出してみましょう。家計に占める割合の大きい固定費を削減することで、一気に月数千円~数万円ものお金が浮くこともあります。いざ家計が苦しくなってからでも効果はありますが、できれば、復職前や産休・育休前に、あらかじめ固定費をスリム化させておけるとなお良いです。

ただし、固定費に節約できる点があまりない、というケースも考えられます。その場合は、各支出項目から数パーセントずつでも削減していきましょう。この時、何となくお金を使わないようにするのではなく、支出ごとに毎月の目安を決めておくことが大切です。

なお、家計が厳しくても、子どもに何か習い事をさせたいという家庭も多いでしょう。民間の習い事では月謝が高くても、お住まいの自治体で、水泳教室や体操教室、英会話などお得に通える習い事が開催されていることもあります。区役所や市役所のホームページを確認してみましょう。

負担なく教育費を貯めるために「低解約返戻金型終身保険」という選択肢も

家計の無駄を省いたら、無理だと思っていた将来の教育費の積立もできるようになるでしょう。教育費の準備というと、まず真っ先に「学資保険」が思い浮かびますが、手立てはそれだけではありません。ちなみに、子育て世代には、生命保険や医療保険は必須になりますので、負担なく教育費を貯めつつ、それらの保障も確保する方法がベストです。

そこでおすすめなのが、「低解約返戻金型終身保険」で死亡保障の機能をカバーする方法です。低解約返戻金型終身保険とは、保険料払込期間中の解約返戻金が低い代わりに、保険料を安く抑えている保険のこと。学資保険より保障が手厚いうえ、加入や受け取りのタイミングが自由で、使い勝手が良いというメリットがあります。教育資金は、保障と貯蓄の機能を別にして準備していくことが大切です。貯蓄のほうは、定期預金などを活用して貯めていけば充分です。「低解約返戻金型終身保険+定期保険」なら、学資保険を利用した場合より保障が充実し、元本割れする心配もありません。

焦らず節約のポイントを抑えて無駄を省きましょう

一方、医療保険は、あれこれ特約を付ける必要はなく、入院や手術に最低限備える保障があれば、問題ありません。保険料が家計を圧迫して貯金できない家庭も多いものですが、このように工夫すれば、必要な保障を手離すことなくお金を貯めていくことができるのです。

「お金の貯め時」と言われる時期に思うように貯金ができないと、焦ってしまうものですよね。「出費が多い上に収入も激減、他の家庭はどうしているの?」と不安にもなってしまいます。しかし、どんなに小さくても、支出に節約ポイントは見つかるもの。それらの積み重ねで、家計に余裕は作れます。はじめから諦めず、家計に潜む無駄を探してみましょう。

マネーツリー編集部からのおすすめ!
支出の詳細を確認できるMoneytreeアプリは、家計の無駄を確認することに役立ちます。

家計のスリム化ポイント ファミリー子あり1


執筆者:武藤貴子

ファイナンシャル・プランナー(AFP)。1983年埼玉県生まれ。会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやコラム執筆を行う。独立後は、起業のコンサルティング業務とともに、執筆や個人マネー相談、メディア出演などを中心に活動中。著書に『いちばん稼ぎやすい簡単ブログ副業』(河出書房新社)がある。