みなさんは「論理的思考力」と聞くとどのようなことを想像しますか?英語で言い換えると、「ロジカルシンキング」、なんて言い方もします。そう聞くと、ややとっつきにくい印象を持たれるかもしれませんね。ここでは、論理的であることを、あえて「根拠があって、相手が納得してくれる表現」としてみたいと思います。いかがでしょう?これならば少しはとっつきやすくなったのではないでしょうか。

論理的思考力と書くと仰々しいのですが、論理的であることとは、伝えたいことと根拠がセットになっていることなのです。そして、それによって相手に自分の主張がスムーズに伝わり、納得してもらいやすくなるのです。

日々の仕事は、メールなどの文字情報でのやり取りも含め、たくさんの人との対話によって成り立っています。ですから、相手に納得してもらうために、根拠が明確な主張をすることにより、仕事がスムーズにはかどっていきます。結果として圧倒的に仕事のスピードが上がっていくんですね。

相手にどうなってもらいたいかをイメージする

たとえば、ご自身が係長クラスのビジネスパーソンと想定します。仕事もそろそろ終えようかという頃に急な仕事が舞い込んできて、部下に色々とお願いをしないといけない事態になったケースを考えてみましょう。

このようなケースでは、「相手になってもらいたい姿」は、どのような姿でしょうか?おそらく、「部下が気持よくこちらの頼みを聞いて仕事を引き受けてくれる状態」となるでしょう。

相手の言葉で「なってもらいたい姿」を支える根拠を探す

イメージができたら、そのイメージを相手の言葉で置き換えてみましょう。先の例で言えば、「僕(私)は、あなたの仕事を引き受けますよ」となります。さて、どうやったら「僕は先輩の仕事を引き受けますよ」と言ってくれるでしょうか?部下の事情を考えてみましょう。

部下の仕事に対する思いは何でしょうか?スキルアップでしょうか?お客様のためでしょうか?上司のためでしょうか?それとも、「仕事なんか面倒くさい」と思っているのでしょうか?部下が仕事に対してどのように考えているかによって、伝え方は変わってきます。

ここでは、スキルアップにつながるので仕事に対するモチベーションは高く、お客様からの信頼も厚いが、今日は疲れているので、できたら早く帰りたいと考えている、という設定としましょう。このような場合にどう伝えたら「僕は先輩の仕事を引き受けますよ」という状態を作り出せるでしょうか?

まず、部下はスキルアップすることに対してアンテナが高いので、その仕事のスキルアップにつながる面を強調して伝えます。たとえば、「この仕事は、君のビジネスプラン作成能力をかなり向上させてくれると思うんだ。」という感じです。

次に、お客様から信頼を得ているので、お客様のためになる点も強調して伝えましょう。「お客様が我が社だけにお願いできないかっておっしゃっているんだよ。」という感じ。 そして最後に、今日帰りたいと思っている部下へのフォローを必ず入れることです。「明日は遅めに出社してくれてもいいから。」などです(もちろん他にもフォローになることがあればそちらでも構いません)。

まとめ

このように、ご自身の主張したい内容を相手の言葉に置き換えることによって、情報の受け手側の視点に立って根拠を考えることができるようになります。

伝えたいことと根拠がセットになっていて、それでいて相手の納得性も高いこと。これによって、誤解や間違いをすることなく相手に対して伝えたいことがしっかりと伝わるようになります。そして、それによって仕事のスピードは大きく上がっていくのです。ぜひ一度試してみてくださいね。

著者プロフィール
堀江 賢一 1977年生まれ。福岡県育ち。九州大学大学院理学府修了。中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー(AFP)。 大手電機メーカーにてグローバルSCMプロジェクトやインターネットコンテンツ配信システムの販売、事業部改革プロジェクトなどに携わる。システム開発、販売、組織改革と、企業組織活動のあらゆる面を経験。その後コンサルティング企業を経て、現在はインターネット企業で、クラウドの事業戦略やマーケティング戦略の立案と実行に尽力している。戦略と実行計画の立案、プロジェクト推進が得意。 趣味はアカペラとテニス。友人と5人でアカペラユニットを組んでおり、結婚式などで歌を披露している。全日本テニスランキング保持者。

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