iDeCo(個人型確定拠出年金・イデコ:以下「iDeCo」)では元本保証型の定期預金や保険商品の他、運用成績によって受給額が変わる投資信託などの金融商品を積立購入することができます。選ぶ商品によっては投資を行うことになるため、投資の基本についても確認しておきましょう。

リスクは金額でコントロールする

資産運用で額面が増えたり減ったりするリスク商品を取り入れる場合、その変動の度合いは金額でコントロールすることができます。例えば、確定拠出年金で毎月2万円、積立てを行う場合、2万円すべてを預金にすれば変動幅はほとんど無くなりますし、2万円すべてを外国株式投資信託などにすると変動幅は比較的大きくなると考えられます。1万円ずつ預金と外国株式投資信託に割り振れば、その間をとれることになりますね。

商品単体で見たときにリスクが高い商品はありますが、その高いリスクを自分の資産にどの程度組み込むのかは、自分自身が金額の配分を調整することでコントロールできるわけです。

減るのも増えるのもリスクと呼ぶ

なお、リスクというと減るイメージが強いかもしれませんが、増えることもリスクと呼びます。増えたり減ったりする変動幅が大きいことをリスクが高いといい、増える可能性が高く期待できるものは、減る可能性も高いと認識した上で取り組む必要があります。

一般的に債券よりも株式の方がリスクが高く、国内より海外、海外でも先進国より新興国の方がリスクが高いとされています。確定拠出年金の投資信託商品を選ぶ場合、通常、国内債券、国内株式、先進国債券、先進国株式、新興国債券、新興国株式の順にリスクが高くなります。

初めてリスク商品に取り組む場合は、例えば2万円の積立額のうち1万円を国内債券、1万円を国内株式などとし、価格変動に対し自分がどのように感じるかを確認してからリスクの高い商品の比率を上げていくと良いでしょう。

iDeCoでどう運用する?

これまでの数回で見てきたように、iDeCoには「人によって月額1.2~6.8万円と積み立てできる上限額が違う」、「積立額が少なくなると口座維持などの手数料割合が高くなる」、「60歳まで強制積立できるが実質途中で引き出すことはできない」といった特徴があります。

手数料の比率を下げるためには、自分が掛けられる金額最大限に積み立て続けることが合理的といえます。一方で直近のライフイベントで結婚、住宅購入、子どもの教育費など、家計が苦しい時期が控えている場合、無理した積立額を設定することは厳しいことも多いでしょう。

風呂内さんのiDeCo(個人型確定拠出年金)に関する過去ブログはこちらをご覧ください。(マネーツリー編集部より)
確定拠出年金について① なぜ今「確定拠出年金」なのか?
確定拠出年金について②個人型確定拠出年金のメリット

45歳を軸に運用方針を考える手法も検討

私は個人的にはiDeCoへの取り組み方は「45歳未満は待て、45歳以上はやれ」で良いのではないかと思っています。45歳未満の待て、はやらない方が良いという意味ではなく、少し慎重に検討しても良い、という考え方です。

45歳未満は、iDeCoではなく、いざとなればお金を自由に動かせるNISA(少額投資非課税制度)などで運用する手段もあります。

例えば、既にまとまった貯蓄ができている人が、残高をiDeCoに移しながら所得控除の恩恵を受けるなどのケースであれば、若い人でも取り組みやすいでしょう。また、セカンドライフまで絶対に手をつけたくない金額が、自分の積み立てることができる上限額と一致する場合なども有効に使いやすいですね。

スタートしてからも年に1度、拠出額を減額することもできますが、拠出が減っている年は手数料の比率は高くなりますし、減税も目一杯には受けられない期間となります。

投資においてリスクは金額でコントロールすること、iDeCoで運用をするのであれば、上限額いっぱいをずっと続けられそうな算段をつけて始めること、手持ち資金が少ない人はまずはNISAで運用を試す方法もあることなど、運用方針を決める際のご参考になれば嬉しいです。


執筆者:風呂内亜矢

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者/1級ファイナンシャル・プランニング技能士)、宅地建物取引士。1978年生まれ。岡山出身。 IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです~お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか~』(祥伝社)等がある。