月曜日から通勤電車に揺られ、やっと訪れた週末をどのようにお過ごしでしょうか? 完全に仕事のことを考えずに過ごすのも良いかもしれません。しかし、自身の仕事のことを考えずとも、休みの日に体験するサービスを通して、自身のビジネスシーンに生かすことも可能です。それは遊園地での家族サービスでも、近所の買い物でも、アンテナの立て方次第で変わってきます。

ショッピングモールの店舗でトレンドを知る

休みの日に混雑しているショッピングモールに買い物に行くことは、体自体は休まりません。しかし、前向きにとらえることで世の中のトレンドを体感することができます。ショッピングモールは良くも悪くも様々な年齢、性別、ライフスタイルに合わせた多様な店舗が出店しているという特徴があります。

そのため、私はショッピングモールに行くと、なるべく色々な店舗を見るようにしています。例えば、20代女性をターゲットにしたアパレルブランド「earth」は最近どこのショッピングモールに行っても見かけるブランドですが、なぜこんなに店舗数が増えているのか?自分が直接的な消費者ではないため、フラットな目線でみることができます。

また、特定のブランド以外ではペット用品を取り扱っている店舗はものすごく増えています。少子化は誰もが知る日本の課題ですが、その背後でペット産業のマーケットは拡大傾向にあります。これも情報自体は知っているかもしれませんが、実際に店舗に行ってみるとペット関連の品数の多さに驚かされます。

ペット向けの服などはもちろん、最近はペット向けのサプリメントなんてものも販売されています。休日に販売の現場を観察することで、こういったトレンドをつかむこともできるのです。

新商品アイディアの種を見つける

ショッピングモールのペットショップで新商品のアイディアを発見した事例があります。ベビー用品を販売する「コンビ」という企業があります。街中でコンビ社のベビーカーをよく目にすることがあるのですが、この企業のベビーカーがペット向けに改造されて販売されていました。

もともとは既存顧客である「赤ちゃんがいる人」向けに販売していた製品のはずですが、赤ちゃんが座る部分のホールド力を高めて犬が外に飛び出さないように改良することで、新規顧客である「ペットを飼っている人」の市場を開拓したという形です。

また、イオンのワイン売り場では電子マネー「WAON」の利用者を対象にワインの有料試飲ブースを設置しています。こちらでは、さまざまなワインを少量で飲み比べることができ、既存の利用者に向けたサービスの向上に加えて、このサービスを目的とした新規利用者の獲得を行っています。

大手メーカーの製品を見比べることで販売戦略の違いを知ることもできます。乾燥麺売り場のコーナーをのぞくと、2種類の異なるタイプの商品に目が留まりました。

さっぱりした鶏ガラのスープが特徴で若い女性をターゲットにした「鶏だしフォー」と、こってりした油が特徴で若い男性をターゲットにした「アブラ足りてます?」です。コンセプトもターゲットも対極にある2つの商品ですが、実は両方ともエースコック(株)の商品です。それぞれのコンセプトを明確にしていれば、商品の特徴やターゲットが異なっていても共存できるということが確認できます。

このようにショッピングモールの陳列でも、トレンドや製品のターゲットに疑問を持って考えてみると、身近な所に自身のビジネスにつながるヒントが転がっているかもしれません。

著者プロフィール
伊藤 隆光

都内の大手業務用酒販店に約10年勤務した後に経営コンサルタントとして独立。在職中に300件以上の飲食店を担当。新規出店サポートとしてコンセプト設計や、既存店舗に対する収益改善提案を行う。すぐに実行できる提案を心掛けている。中小企業診断士、ワインアドバイザー。

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