岩田先生の連載第7回目、前編です。ドコモが共通ポイントのサービスに参入してから、6カ月がたちました。半年が過ぎればサービスも軌道にのり全体像もみえてくる頃です。そこで、今回はドコモの共通ポイントdポイントを徹底チェック!その強みと課題について迫ります。

dポイントの貯め方は?

ドコモは、昨年12月から共通ポイントdポイントカードの配布を始めています。これは、加盟店で買い物すると100円(税抜き) で1ポイント貯まり1ポイント1円で使えるという現金ポイントカード。年会費・入会金は無料で全国のローソンとドコモショップで配布しており、誰でも入手できます。この他にもクレジット機能付きdカード(レギュラータイプ)と上位カードのdカードゴールド(ゴールドカードタイプ)も発行して、こちらはクレジット払いに対応しています。

共通ポイントdポイントのたまる加盟店は、12月時点でローソン、マクドナルドの2拠点で全国約1万店ほどありましたが、春にタカシマヤ、JALといったメジャーブランドが加わり、高速道路のサービスステーションのネクスコ中日本や家電量販店のノジマ、上新電機のほか、酒類卸のやまやチェーンなど各地の中堅チェーン店も参加して、秋には45社2万店にまで増える予定です。

いよいよ共通ポイントらしい体制が整いつつあるといえるでしょう。ドコモの担当者は、「加盟店は今後100社をめざす。目標はTポイントに追いつき追い越せ」と強気の姿勢をみせています。

4つのステージとクーポンの魅力

dポイントの強さの源泉となっているのは、やはり本業に関わるところです。ドコモはすでに5400万人を超える優良な会員データを保有しています。

日本一携帯電話の利用歴が長く、所得の高い中高年を中心とした5400万人を超える優良顧客を囲い込み、しかも整備されたその個人情報がドコモへの貢献度(利用年数と実績)に応じて、レギュラー、ブロンズ、シルバー、ゴールドの4つのステージに分けられ、これが頻繁に更新されて管理されているのです。これがドコモの誇る会員データベースです。

さらに、他にないサービスとしてクーポンがあります。ドコモ会員になると、ほとんど自動的にdポイントクラブに所属するのですが、そのクラブから割引クーポン、スペシャルクーポン、プレミアムクーポンという3種類のクーポンが発行されています。

そして、このクーポンは4つのステージに連携し、カフェやファミレスなどの飲食での割引を受けられる割引クーポンは、4ステージ全員に対して配られますが、イオンシネマの前売り券が当たるなどのスペシャルクーポンは、ブロンズから上のステージの人がもらえます。

そして、プレミアムクーポンは、シルバー以上の人がもらえる上級のクーポンで、JALのサクララウンジ(航空会社が運営する最高級ラウンジ。アルコールも飲み放題)を予約して使えるうえに、ディズニーランドやUS Jの入場券を抽選でもらえます。とくに、抽選は人気が高くて毎月10万人ぐらいの応募者が殺到するといいます。

大人気のdカードゴールド

さらに、これら4つのステージと自社発行のクレジットカードも連携しています。例えばdカードゴールドに入会すると、自動的に4つのステージのうちの最上位であるゴールドステージの資格を獲得できて、ゴールドステージの特典である毎月の通信料金の支払いで10%のポイントが還元されます。

ですから、このサービスを使えば、15年以上の利用歴がないと取れないゴールドステージ資格を30才前に持つことも可能になります。その結果、高率のポイントを獲得できるうえに、最上位のプレミアムクーポンとも連携していますから、JALの高級ラウンジのサクララウンジを利用することができるほか、東京ディズニーランドとUSJの無料入場券ももらえます。ディズニーランドでは、シンデレラ城の前の特別室から家族と一緒にパレードを楽しむことができます。

これらお得な特典が付くことが知れ渡るようになったため、このゴールドカードは半年で100万枚を超えて発行される人気になっています。

ドコモの優れたカード戦略

ドコモはクーポンやゴールドカードを4つに分かれた会員ステージの上位ランクに結びつけることで、優良顧客であるカード会員をさらに囲い込もうとしているようです。また、会員ステージの中でも、優良顧客をきちんと分けていつでも抜き出せるようにしているため、他企業と提携を行う際にもマーケティング面での大きなアドバンテージとなっています。

今年になって共通ポイントに参入したJR東日本もイオンもまだゴールドカードにまで手が回らないといってよい段階です。会員情報の整備とクレジットカード戦略に関してはドコモは頭ひとつ抜き出ているといえるでしょう。

著者プロフィール

岩田昭男 消費生活ジャーナリスト。1952年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院修士課程修了後、月刊誌記者などを経て独立。流通、情報通信、金融分野を中心に活動する。

ウェブサイト:上級カード道場