消費税や所得税の増税などで、この先どんどん家計は厳しくなることが予想されます。何もしないままだとジリ貧になってしまいそうですが、資産運用をすることによって世界の経済成長の果実を得ることが可能になります。すでに資産運用を行なっている方もこれから実施しようと考えている方にも役立つ情報を、「世界の賢者から学ぶ資産運用の第一歩」と題し、数回のシリーズに渡ってお届けします。

消費税と所得税の増税、高齢化に伴う日本経済の未来

2019年10月、消費税率は10%に引き上げられる予定です。消費税10%導入時には、酒と外食を除く食料品などに8%の軽減税率が導入され、持ち帰りの弁当、宅配ピザなどにも軽減税率が適用されることになっているものの、本当に実施されるのかは不透明です。その上に税率が8%にアップした2014年の時のように増税分を上回る便乗値上げが行われる可能性もあります。

消費税が2%上がると多くの家庭では月3,000円前後(年4万円前後)の負担増が予測されます。例えば、年収300万円の単身家計で、1ヵ月の消費支出(貯金や貯蓄型の保険を除く)が18万8000円の場合、月2,460円の負担増が、年収500万円の子育て世帯で、1ヶ月の消費支出が25万6000円の場合、月3,120円の負担増が消費税10%時に予測されます。

また、所得税増税として、「給与所得控除」の縮小が進められています。政府は原則として年収850万円を超える会社員に絞り込む方向で最終調整を図っています。また、年金生活の高齢者の「公的年金等控除」も将来的に縮小される可能性があります。所得増税で手取りが減った上で消費税の負担も増えれば貯蓄など将来のために備えるお金を捻出させることが難しくなります。

なぜこのような増税が行われるかというと、急速な高齢化に伴い社会保障費は毎年1兆円規模で増大しているからです。社会保障費収入は横ばいで推移しているために、その多くは税金と借金で賄われています。少子高齢化は今後ますます進むために財政が更に深刻化されることが予測されています。1950年には1人の高齢者を12.1人の現役世代(15〜64歳)が支えていました。しかし、2012年の段階では高齢者1人を現役2.6人が、2060年には高齢者1人を1.3人の現役が支えるという不安定な人口構成になります。

日本の社会保障の仕組みは自分で積み立てる仕組みではなく、その時の高齢者の給付をその時の現役世代が支払う仕組みになっているために人口構成の影響をまともに受けてしまうのです。今後も負担増と給付のカットが行われるのは避けられないと言えるでしょう。日本でも確定拠出年金(401K)の加入者の適用範囲が広がり、専業主婦なども加入ができるようになりました。公的年金で不足する分を各自で積み立てることを促進する制度を整えることによって、自助努力で老後のお金を作っていく必要が求められるのです。

成長が鈍化する日本、成長著しい新興アジア

そんななかで世界経済は毎年2%前後で成長をし続けています。東アジア・大洋州地域に絞ると6%前後の成長が予測されています。人口構造的に成長が難しい日本にいながらも世界の経済成長の恩恵を受ける方法があります。それが海外の株式などに投資をするという方法です。日本にいながらも成長著しい国の成長の恩恵を受けることが可能になるのです。

海外の株式に投資をするとなると非常にハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、投資信託を利用することによって初心者でも少額から世界の株式や債券に投資をすることは可能になります。確定拠出年金のラインナップの中からも外国株式や外国債券を通常は選ぶことができます。また、銀行やオンライン証券など身近な金融機関でも商品を購入することは可能です。この連載でもその方法を詳しく解説していきたいと思います。

いかがでしょうか。高齢化している国にいつまでもおんぶに抱っこの状態ではいられなくなりつつあることが分かるでしょう。海外では老後資金は自分で準備するということが常識となっている国も多いですが、日本でも賢い人は早くそのことに気付いて若いうちから資産運用を初めています。早期のスタートが成功への近道とも言えそうです。


執筆者:花輪陽子

1978年三重県生まれ。ファイナンシャルプランナー(CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士)。元外資系の投資銀行に勤務。リーマンショックで「夫婦同時失業」を経験し、現職に転身。テレビ出演、雑誌監修など多数。著書に『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)『お金持ちになる女はどっち?』(PHP)など。