岩田先生の連載第6回目は、共通ポイント業界に関する記事です。共通ポイントの人気は高まるばかり、新しいプレイヤーも次々でてきて賑やかです。岩田先生は以前から、2000万人の会員をもつ企業・組織なら、どこでも共通ポイントをだす資格がある、そういう時代がやってくるだろうと言ってきました。そして、いま共通ポイントの世界は確実にそちらに向かっています。

大手企業の参入

これまでレンタル店やネット事業者を中心に共通ポイントは動いてきましたが、今後は規模の大きな事業者ならどこでも参入してくる可能性があります。

目的はビッグデータの収集です。コンピュータとAI(artificial intelligence人工知能)の発達で膨大な量のデータでも的確に分析してマーケティングに活用できるようになりつつありますから、その流れに乗り遅れまいとして参入してくるわけです。

いまはドコモやJR東日本、イオンがでているぐらいですが、今後も続々と大手企業が参入するでしょう。どこがでてくるかを占うと、クレジットカード会社、地方銀行、家電量販店、一部キャリアなどがあげられます。

すでにカード会社のひとつ、JCBはナナコとのコラボでOkiDokiポイントを共通ポイント的に活用する実験を始めていますが、これからはニコスや三井住友カードが共通ポイントにでてきても全然おかしくありません。

彼らは直接手を染めることはないかもしれませんが、大手加盟店の共通ポイント参入の際に自らの加盟店ネットワークを差し出し環境づくりに協力するといったことは大いにありえます。

百貨店の共通ポイント

百貨店でも共通ポイントの動きが活発です。伊勢丹・三越、タカシマヤ、大丸などが共通ポイントに積極的に乗り出してきましたが、ちょっと残念なのが、伊勢丹がTポイント、タカシマヤがdポイント、大丸が楽天スーパーポイントとそれぞれが既存の共通ポイントと提携したことです。

これが私には信じられないのです。百貨店といえばサービスが命です。とくに富裕層向けのサービスを充実させなければ勝ち残れません。それを他人任せにしてしかもそれぞれに提携先を変えてトラブルが起こらないように棲み分けまでしている。こういう消極的な姿勢はいかがなものでしょうか。

ここはぜひ自前のサービスを揃えて独自の共通ポイントを立ち上げるくらいの元気をみせてほしいものです。その点、東急百貨店(東急カード)は東急沿線での富裕層向けサービスを充実させ独自の共通ポイントづくりに励んでいます。こちらの方が好感はもてます。

自分に合った共通ポイントを

このように共通ポイントがたくさんでるようになると、何を選んでよいかわかりません。共通ポイント選びが次のテーマになると思われます。

ただ、自分にあったポイントを選ぶ前に、共通ポイントについてもっと知っておく必要があるでしょう。というのも、たくさんでてきた共通ポイントはいくつかの種類に分かれ始めたといえるからです。

次の後編では、もう少し掘り下げた各共通ポイントの方向性についてお話します。

著者プロフィール

岩田昭男 消費生活ジャーナリスト。1952年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院修士課程修了後、月刊誌記者などを経て独立。流通、情報通信、金融分野を中心に活動する。

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