『イノベーション』という言葉、誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。しかしながら、この言葉が示す具体例は何かと聞かれると、漠然としてはっきりイメージできないのではないかと思います。

この言葉を初めて使ったのはオーストリア出身の経済学者であるヨーゼフ・シュンペーターでした。彼曰く、「新結合」とのこと。経済活動の中で生産手段や資源、労働力などをそれまでとは異なる仕方で新結合させること・・・なんだかよくわかりませんね(笑)。

時代を経るにつれて、一般的にはイノベーションとは「新しいアイデアから新たな価値を創造すること」と言い表されるようになってきました。よく「技術革新」と一緒に語られますが、技術がからまなくてもイノベーションとして語られるのが一般的です。

ではこのイノベーション、ご当地キャラに当てはめるとどのように考えることができるかを見てみましょう。

2つの切り口でご当地キャラを分類してみる

ビジネスデザイナーの濱口秀司氏は、バイアスを破壊するアイデアがイノベーティブなアイデアであると語っています(Harvard Business Review 2016年4月号)。どういうことかというと、たとえば、1~4という異なるアイデアを4つ示し、「A」と「B」という2つの特性に分けて、AをとればBを失うし、BをとればAを失うというトレードオフの状態にして並べると、以下のような並びになります。

図1

この並びに対する全く違う軸で示されたCこそがイノベーティブなアイデアであるということです。実際に有名なご当地キャラを2つの切り口で並べると以下のような並びになります。

図2

A軸に「ゆるさ」、B軸に「話をするかどうか」をとってプロットしたものです。ゆるいご当地キャラほど話をしない「声を出さない」ことがわかります。

2つの切り口から視点をずらしたものがイノベーティブなアイデア

では、今度はCの領域に視点をずらしてみましょう。すると、ゆるいのに話すキャラクターが見えてきます。もうおわかりですね。ここに位置付けられるのがあの「ふなっしー」なのです。

図3

ふなっしーのどこがイノベーティブなのか?何が新しいのか?

上記の図で示された切り口では、ゆるいご当地キャラなのにとてもハイテンションに会話をするという点が挙げられます。  

そのほかにも、あえて非公式キャラクターとして活動することで、自治体の活動制限から開放されることを狙い、メディアに露出を増やした、ということもあげられるでしょう。

切り口を変えてみるといろいろな面が見えてきます。他にも、萌えキャラなどでやってみても面白いかもしれませんね。ぜひ身近なもので試してみて、イノベーティブな発想を養ってみてください。


執筆者:取材の学校 ライター 堀江 賢一

1977年生まれ。福岡県育ち。九州大学大学院理学府修了。中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー(AFP)。

大手電機メーカーにてグローバルSCMプロジェクトやインターネットコンテンツ配信システムの販売、事業部改革プロジェクトなどに携わる。システム開発、販売、組織改革と、企業組織活動のあらゆる面を経験。その後コンサルティング企業を経て、現在はインターネット企業で、クラウドの事業戦略やマーケティング戦略の立案と実行に尽力している。戦略と実行計画の立案、プロジェクト推進が得意。 趣味はアカペラとテニス。友人と5人でアカペラユニットを組んでおり、結婚式などで歌を披露している。全日本テニスランキング保持者。