コミュニケーション。これは人と人が関わるときには必ず発生するものです。私たちが物事を決める時の判断材料になる情報量は、総務省によると10年前の600倍近くにもなっているそうです。

このような情報洪水の中を泳いでいる私たちは、洪水の中から個々に意味のある情報を拾い上げてコミュニケーションをとっているんですね。洪水のような情報量ですから、誤った情報や意図せず拾い上げた情報などが元になって、思いもよらない形で発信されることがあります。それが原因で誤解を生んだり、人間関係が悪化したりすることもあります。

できることなら誤解や人間関係の悪化は避けたいもの。では、円滑にコミュニケーションをするにはどのような点に気をつければよいのでしょうか?

伝える前に一呼吸

相手に何かしら情報を伝えるとき、反射的に情報を発していることはありませんか?議論がヒートアップしてくると、ついつい自分もアツくなって相手の人の話にかぶせてしまうこともあることでしょう。しかしこれは、円滑なコミュニケーションを行う上では間違いです。

なぜなら、これは相手から発せられた情報を正確に噛み砕く前に自分の思っていることだけを話すことであり、相手が欲している情報を無視した行為だからです。たとえるならば、相手から投げられたボールを取る前に自分からボールを勝手に投げるようなものです。

円滑なコミュニケーションのためにまずすべきこと。それは相手の話に耳を傾け、自分から話したくなっても我慢して一呼吸置くことです。これにより、相手からの情報が正確に処理され、円滑に回答を返す下準備ができます。また、一呼吸置くことによって自分自身の考えを整理する時間を取ることもできます。

自分が発した言葉によってどのような状況が発生するか想像する

一呼吸おいたら、次は自分が話したい内容を相手に伝える番ですが、ここで気をつけておきたいのは、「自分が発した言葉によって相手(あるいはその場の空気)がどういう反応をするか」を想定しておくことです。そのために必要なのは、情報を伝える相手と自分自身が目指したい目的を合わせておく必要があります。

たとえば、あなたの部下が、お客様先で提案する際に間違った情報を伝えてしまったケースを考えてみましょう。あなたはお客様の前で、どのように発言をするべきでしょうか?ここで最初に考えなければいけないことは、情報を伝える相手(お客様と部下の双方)が目指す目的を合わせることです。

ここでは、「正しい情報を正しくお客様に提案する」ことを目的としましょう。とすると、あなたがするべきことは、部下が最後まで話し終わったあとに、あくまで補足するような形で情報を修正してお客様に伝えることです。こうすることによって、お客様には正しく修正事項が伝わりますし、部下の立場としても「補足をしてもらえた」形になるので、面子が潰れることはありません。間違っても、部下が話している途中で話を遮って訂正を入れないようにしましょう。お客様からの心象も悪くなる上、部下の面子を潰すことにもなってしまうからです。

伝える前に一呼吸置くことと、自分が発した言葉によって生じる状況を想像すること。この2つをやってみるだけで、誤解や行き違いはぐっと減ります。ぜひ一度試してみてくださいね。

著者プロフィール
堀江 賢一 1977年生まれ。福岡県育ち。九州大学大学院理学府修了。中小企業診断士、ファイナンシャルプランナー(AFP)。大手電機メーカーにてグローバルSCMプロジェクトやインターネットコンテンツ配信システムの販売、事業部改革プロジェクトなどに携わる。システム開発、販売、組織改革と、企業組織活動のあらゆる面を経験。その後コンサルティング企業を経て、現在はインターネット企業で、クラウドの事業戦略やマーケティング戦略の立案と実行に尽力している。戦略と実行計画の立案、プロジェクト推進が得意。趣味はアカペラとテニス。友人と5人でアカペラユニットを組んでおり、結婚式などで歌を披露している。全日本テニスランキング保持者。

公式サイト:取材の学校