貯まったお金や、これから貯めるお金、どういった考えで管理していいか、迷うこともあるかもしれません。そんな時には、お金を色分けして考えてみるというのも1つの方法です。

使うお金、守るお金、ふやすお金

お金は、使う、守る、ふやすの3つの目的に色分けすると考えやすいと言われています。

「使うお金」は、毎日の生活や、入院、転職など何か起きたときに対応するためのお金のことを言います。

「守るお金」は、5年後や10年後などに必要になることが見えているお金のことを指します。結婚資金や、教育費、住宅購入の頭金など、少し先のことを考えると支払うことが見えている費用のことですね。

「ふやすお金」は、10年以上使う予定がなく、多少増えたり減ったりしても困らないお金のことです。資産運用に充てて安全なのは、この部分のお金といえます。

金融商品によって得意が違う

金融商品は、すぐに現金化できる「流動性」、元金を損ないにくい「安全性」、元金をふやす期待が持てる「利殖性」の、3つの性質について得手不得手があると言われています。どの金融商品がどの性質を得意としているのか知っておくと、お金の保管方法を検討する際の助けになります。

例えば預貯金はいつでも引き出して使えるため流動性が高く、元金も変わらないため安全性も高いといえます。一方利息は少ないため元金が増えることは期待できないため利殖性は低いです(流動性○、安全性○、利殖性×)。

定期預金や個人向け国債などについては、預貯金に比べるとすぐに引き出しがしにくくなる点で流動性がやや劣ります。満期まで保有するなどすれば元金はほぼ保たれるため安全性もあり、利殖性については預貯金よりは利率が高いこともあるため、やや優れているといえます(流動性△、安全性△、利殖性△)。

株式は、評価額が下がっている間は心情的にも、売却し現金として引出すことがしづらくなります。一方、評価額が上がるなど元金がふえる期待を持つことはできます(流動性△、安全性×、利殖性○)。不動産だと、すぐに売って現金化するのは難しいため、流動性×、安全性×、利殖性○などと分類できるかもしれませんね。

○×△は、比較する金融商品によって異なります(株式について、預貯金と比べれば流動性は△ですが、不動産と比較するなら○等)が、選ぼうとしている金融商品がどういった特徴を持っているのかを整理するのに便利な区分けです。

何をいくらずつ持つか

使うお金は流動性が、守るお金は安全性が、ふやすお金は利殖性が高い商品で保有するのが向いているといえます。 例えば、転職する場合、雇用保険の失業給付受取までに4ヶ月程度かかるケースもあります。こうした時に助けになるのは、すぐに使える流動性の高い現金です。「使うお金」として生活費の4ヶ月分以上を流動性の高い預貯金で確保できていると安心でしょう。

結婚式のために3年後までに200万円準備したい、家を買うために5年後500万円を準備したい、といった場合には今すぐ使える状態で置いておく必要はありません。定期預金積立や、既にある預貯金を個人向け国債に換えて保有することで、多少受取利息をふやすことができます。「守るお金」として位置づけで流動性は低く、安全性や利殖性を少し求めたような管理方法が選択肢になります。

老後の資金などは「守るお金」と「ふやすお金」に分けて準備しても良いかもしれません。例えば、30年後までに2000万円は絶対に準備をしたくて、セカンドライフに少し潤いを与えるために上乗せして1000万円準備することを目指すとします。この場合、退職金など他の資産がなければ毎月5.5万円(2000÷30年÷12ヶ月)の貯蓄については定期預金で準備をし、2.7万円(1000÷30年÷12ヶ月)については資産運用に充てるという方法もあります。

お金をどう保管するのが適当なのか悩む場合、使う・守る・ふやす、どの目的のお金を準備しようとしているのかということや、検討中の金融商品はその目的に合う性質なのかを照らし合わせて考えると判断しやすくなります。より自分の考えに合う方法でお金を管理していけると安心ですね。

著者プロフィール

風呂内亜矢 ファイナンシャルプランナー(CFP認定者/1級ファイナンシャル・プランニング技能士)、宅地建物取引士。1978年生まれ。岡山出身。 IT企業に勤めていた26歳のとき、貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有し、賃料収入を得ている。テレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信している。 著書に『その節約はキケンです~お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか~』(祥伝社)等がある。

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