Moneytree Blogに、2011 ミスユニバースジャパンの、神山まりあさんが登場です!これまで数々のステージを経験されてきた神山まりあさん、連載第一回目は、「普通の人生」についてです。

普通の人生

「今現在29歳 既婚 妊娠中」これが私の今のスタンス。

小学生のころから「普通」が嫌いで、目立つのが大好き。学芸会では主役をやりたい、日本で就職活動はしたくない、誰もが憧れる人生を送り、死ぬまでハッピーでいたい。実際に行動に移してはみるものの、いつも根底にある臆病で怖がりな性格がどこかで邪魔をしてくる。

大学でハワイへ飛び立ち、仕事を始め、帰国後はミスユニバースへ挑戦。「あんたは普通じゃないから」と家族に言われるとなんだか嬉しい。強がって「普通じゃないフリ」をするシーンもあった。

人と違うことをするたびに覚える快感は、不安と臆病を薄い布のようなものでカバーしてくれる。少しでも風が吹けば飛んでいってしまいそうなその布のおかげで、私の思う「普通」とは違う人生を送ることができたのかもしれない。

全否定された「普通でない人生」

そんな人生に満足していた時、衝撃的な事件が起きた。ある男性とお付き合いをしていた時、私の「普通でない人生」を全否定されてしまったのだ。全否定どころか、私の今までの仕事・友人関係・生活すべては恥ずかしいものだと伝えられた。

彼の願いは一つ、「普通」になって欲しいということ。

今まで男性の意見は二の次だった私が、理想の「普通じゃない人」に出会い、その彼が自分を好きと言ってくれている。失わないために必死になっていたのかもしれない。

すっかり自信をなくした私は、すべてを真っ白にして彼の「普通」に軸を合わせ自分を消していく。窮屈で仕方なかったが、それが幸せと勘違いする始末。今考えると恐ろしいが、彼の「普通」に合わせる作業が失った自信を取り戻す唯一の手段だったのである。

結果、見事にフラれる。価値観と環境の違いが原因と告げられる。彼の「普通」にどんなに頑張っても合わせることができなかった。

しばらく自分を見失い、何が正解で何が不正解なのかがわからなくなってしまった。自分がわからなくなった時、人は途端に恐怖のどん底へと突き落とされ、冷静になれなくなる。もちろん私もその一人で、空っぽな自分を見つめるのが怖かった。

「普通」の概念はみんな違って当たり前

あれから数年が経ち、どん底の気分を味わった先に出会った大切な人と結婚、そして妊娠。あの頃の気持ちをやっと冷静になって考えることができるようになった。

人間、「こんな辛いことはない、死んだほうがマシだ」なんて思う瞬間を一度は経験するが、神様の決めた世界の終わりはどうやらまだまだ先のようである。結局は時間と出会いがすべてを解決してくれる、と心から思う。

「普通」

この2文字は聞きなれた、強力な言葉だ。使い方によっては、自分の考えを人に押し付けることもできる凶器にもなりうる。私は「普通」を嫌がり、好きだった人の「普通」によって縛られた。

今ならわかる。万人共通の「普通」なんてないの。すべては個人の頭の中で作り出された情報の集約の結果。その人の人生の歩み方によって「普通」の概念なんて全く違う。

私は、狭い世界で見て経験した人生のあり方の平均値を出し、それを嫌がり、好きだった人の人生で作り出された理想によって縛られたに過ぎなかったのだ。

生まれた瞬間から今までまったく同じ人生を歩んだ人がいるだろうか?同じ痛みを感じ、同じ喜びを一ミリもズレることなく感じた人はいるだろうか?家族でさえもそんなの不可能だろう。

決してあなたの思う「普通」を万人のものと思い込み、人に押し付けてはいけない。そして人の思う「普通」を批判してはいけない。人に個性があるように、「普通」の概念は違って当たり前。

自分の思う「普通」とは

ある日、とある女子高で講演会をした。「将来の夢は?」というシンプルなテーマ。

一人の女の子はこう答える

「普通に卒業して、普通に結婚して、普通に子供産んで、普通に死ぬこと」

ジョークではなく、純粋無垢な目をしてこう答える彼女。

ある国では卒業どころか学校に通うことが夢である子供達もいる、結婚・出産を強いられる女の子もいる。恐ろしいことに戦争だってまだ日常的に世界のどこかで繰り広げられている。

「普通」はあなたが生きる世界と経験で作り出したもの。彼女にはまだまだもっと世界を見て、自分の思う「普通」を見つめ直してほしいと強く思った。

著者プロフィール

神山まりあ 1987年2月17日生まれ 東京都育ち 成蹊大学文学部卒業。大学在学中に単独でハワイに移住。現地で働きながら英語を習得する。帰国後、2011 ミス・ユニバース・ジャパンに選出。日本人初、世界で最も好感度の高かった人に贈られるMiss Congenialityでは3位以内に、National Costumeでは10位に入賞。ファッションモデル、MC、ミス・ユニバース養成講師として幅広く活動中の2013年、J-WAVEナビゲーター2013優秀者に選ばれて特別番組「J’S SPECIAL」にて念願のJ-WAVEナビゲーターとしてデビュー。2016年3月までJ-WAVE「ZAPPA」ナビゲーターとして活躍。日本マナー・プロトコール協会認定のイメージコンサルタントとして、またGSC主催企画を通して若者や女性の社会進出を積極的に応援するなど活動は多岐に渡る。

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